project schedule


[studio]での活動は終了しました。
ご来場いただいたみなさん、どうもありがとうございました。

今後、吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008では、これまでの[studio]等での活動を元にアーティストが最終計画書を作成し、それをもって審査員による2次選考が行われます。またアーティスト決定後に、別途コーディネーターの審査が行われます。
最終結果は、年明け頃に発表の予定です。

* mixiにもコミュ作ってみました!:吉原治良賞記念AP2008メンバー募集中です。

2007年10月19日

社会とつなぐ

このブログ、10月になっても毎日10人ぐらいの人が見てくださっているようなので、たまには更新してみようと思います。

9月末までの二次選考期間中で、何を一番反省しているかというと、それは「社会とつなぐ」ということが全然できなかったこと。それにつきます。最初からコーディネーターの役割のひとつとして言われていたことではありますが、、、それぞれの作家さんのことを理解することと、[studio]という場所に慣れることに右往左往している間に、あっと言う間に終わってしまった感じです。

その時その時にベストを選択していると思っているので、もしはないけど、こんな風にもできたかも・・・と思ったりはしています。

2007年10月1日

最終日の様子

とうとう[studio]での活動期間が今日終了しました。みなさん、お疲れさまでした&ありがとうございました。いろいろ反省点はあるのですが、それはまた後日。

最終日の私の大失態は、13時半から握微さんの一人芝居のリーディングがあることを知らなかったことです。(ありえない・・・反省してます。)(実は、昨日も上映会のこと[studio]に到着した時は覚えていたのに、3時近くになるとすっかり忘れていたのです。>ごめん握微さん。)チラシの裏をちゃんと読んでなかったというか、見落としてました。。。
そして急に始まったリーディング。面白かったです。私、全然握微さんのことわかってなかったのかも・・・と思わせる魅力がありました。話は若干ありがちというか、昔見た第三舞台の「トランス」(古い15年ぐらい前)などを思いだしたのですが、演技をしている姿から今まで知っている握微さんとは違う面を垣間見れてドキドキしたといいましょうか・・・

そして3時からの『桃から生まれた「ももやまぶんこ」―児童図書館の意義と方法―』。
わたしたちは何で今あるものをもっと大切にして活用しないのだろうと思います。古くなったもの儲からなくなったものなどいらなくなったものを簡単に切り捨てていきます。そんなことを繰り返していても、結果は同じなのに。
この日のお話で「ももやまぶんこ」のような活動の意義を社会に伝えていくことこそ、コーディネーターの使命なのではと思ったりもしました。単純に古いものがいいとかは思わないけれど、「ももやまぶんこ」の活動は残していく価値のあるものです。少なくても、私は今、自分ちの近くに「ももやまぶんこ」があったら絶対に利用すると思うので、新しい形でも再開できること祈ってます。

6時からは、運動会がありました。運動会というタイトルなので、普通に運動することを想像しているとそれは全く違います。この日は、コンピューターをプロジェクターにつなぎ、握微さんがそれを操作しつつ進めるレクチャー形式でした。運動展に展示されている作品の中から、それを実際に体験します。文章だけで読んでいたものを実際に写真や音として確認できる。握微さんの文章を読んでいると、そのもの自体を見たくなります。あんまりおもしろくなさそうと思うものも中にはありますが、でも想像力をかきたてられます。想像することろが醍醐味なので、運動会で実際に見るとどうなのかなぁと思っていたのですが、面白かったです。でももしかしたら、見なくても充分面白いと言えるものがいいのかもしれません。

その後、行われたのが改名式。山本握微、改メ、ら、改メ、異常人ら。山本握微という名前の由来から、"ら"を経由して"異常人ら"になった経緯。握微さんは自分が、すねていることを認めているので、もう何も言うことはありませんが、やっぱり元に戻したらというのが私の感想です。どの名前も同じ構造を持っているというようなことをおしゃっていたと思うのですが、だったらなおさら、もう握微ファンもいっぱいるしもったいない。とりあえず、名前を変えるというのはめちゃくちゃ面倒くさいことだけは確かです!(私、夫婦別姓賛成派です。そして山本という姓を案外気に入っているもので。)どっちかっていうと、"山本ら"とかの方が"他一(ほかはじめ)"さん(前日の天野天街さんが教えてくれた芸名)に近い気がします。

と、いろいろありましたが、無事に終了。いたらぬ点は多々ありましたので、また改めて感想を書きます。10月はとりあえず、充電期間。やっと休める・・・

2007年9月29日

方法の芳香

今日の午後は、15時過ぎから「若い時に書いたものなのでとてもはずかしい」と天野さんがしきりにおしゃっていた『自由ノ人形』(少年王者舘、2000年、VHS)の上映会を行い、18時からレクチャーを行いました。

最初、天野さんも緊張してらっしゃったようですが、徐々にほぐれてきた感があって、よい雰囲気に。貴重な映像作品も見ることができてお得感満載でした!

「方法の芳香」というタイトルで行われた今日のレクチャー。握微さんがこだわる<方法>というのは、オリジナリティが純化した結果、様式となったものなのかなと私は思っています。最近、人間国宝の方にお話をうかがう機会があったのですが、その時に感じたのと同じことを今日も考えました。ものをつくる、何かを表現するためには、何かしら技術や方法が必要です。もちろん、その技術や方法は人の真似でも独自に開発したものでも何でもいいと思うのですが、その上で、自分自身とは何か、オリジナリティとは何かを深く追及する瞬間が来ると思うのです。それが作家にとっては表現をする上での別れ道、あるいは壁となるでしょう。普通は。
しかし、最初から普通芸術を標榜している握微さんにとって、自分自身やオリジナリティなど関係のない話で、逆に邪魔になるだけなのかもしれません。ということがオリジナリティとなっているところが、アキレスと亀のように終わりがない感じがします。
「自分がどうしたいのか」ということを見極めること、そしてその上で天野さんがおしゃっていた「私が在るということ」(要するに自分自身とは何かということ)に自覚的にならなければ、真の方法(オリジナリティが純化した結果、様式となったもの)は生みだされないのではないか、と思いました。

今日のお話から、天野さんは無意識や偶然から得た方法を使われる時はなかり意図的に、意識的にしていらっしゃるように思いました。それでなければ、やはりあれほどの世界観は作れないのかもしれません。

終了後は、会場に来ていただいた方々も含めみんなで天野さんを囲んでで飲みに繰り出しました!(私は残念ながら行けませんでしたが・・・・)どんなだったか聞くの楽しみです。


明日は、握微さん展示最終日、そして[studio]の最終日でもあります。長かったのか短かったのかよくわかりませんが、いろんなことを思った半年でした。明日もイベントたくさんあります。ぜひお立ち寄りください。

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レクチャーしなくちゃ vol.6「桃から生まれた「ももやまぶんこ」―児童図書館の意義と方法―』があります。
日 時:9月30日(日) 15:00-16:00・申し込み不要
会 場:[studio]
講 師:中谷邦子氏(ももやまぶんこを支える会代表)
    根岸伴子氏(元ももやまぶんこ司書)※予定

大阪市阿倍野区に、「ももやまぶんこ」という児童図書館がありました。
25,000 冊を超える蔵書や、定期的に開かれるおはなし会、そこで生まれる子ども同士・親同士の交流など、小さいながらも充実した空間として33年に渡って地域に親しまれてきました「ももやまぶんこ」は、2004年に建物の老朽化に伴い閉館し、現在では有志による「ももやまぶんこを支える会」が、図書館の再建に向けて活動しています。
レクチャーでは、地域に根差した児童図書館は何故必要なのか、公共の図書館との違いは何か、蓄積された蔵書と人の財産を散逸を抑えるためにはどのような方面に支援を要請するのかなど、芸術活動支援とはちょっと違う「子育て支援施策」といった視点から、「ももやまぶんこを支える会」の現在についてお話を伺いたいと思います。子育てに関心のある方、是非ご来場ください。
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18時から運動会、20時からクロージング・パーティーです。

キタル 天野天街氏

今日は、公開レクチャー「方法の芳香 ─天野天街氏を招いて─」があります。レクチャーいっぱいあって、訳がわからなくなってきていますが、これが吉原AP独自の最後のレクチャーになります。

4月からずっと5組の入選作家のみなさんとミーティングをしてきましたが、現美センターからレクチャーを企画するように言われた時に、「どんな人に話を聞きたいですか?」と聞いて「天野天街!」と即答されたのは、握微さんだけです。もう他はない、という感じで希望を聞いて実現に漕ぎつけたのが今日です。若干、緊張気味の握微さん。どんなお話が聞けるか楽しみです。

2007年9月28日

山本 握微 「運動展 2007 ─棚卸─」


今日からはじまりました。
今も作家は[studio]に常駐し新しい作品を制作中です。。。
山本握微大回顧展かのように、旧作やレクチャーしなくちゃのビデオ、過去の映像作品等なども参考作品として展示されています。あわせてお楽しみください。

今日の夜6時からは「運動展でうどんを食べる」のパフォーマンスが、7時からは『レクチャーしなくちゃvol.5「{完全/運動/普通}ノ芸術」 山本握微 』が行われます。

2007年9月25日

暗展

最近、めっきり書きこんでくれない山下さんは、今これです。

暗展


私は残念ながら見に行けないのですが、とりあえずがんばれ!ということで。

ラストスパート

今週末は、山本握微、改メ、ら、あるいは異常人らさんの『運動展 2007 ─棚卸─』が行われますが、それと並行して多数のイベントも開催されます。こちらもどうぞよろしく。

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28日(金)
18:00- オープニング「運動展でうどんを食べる」
19:00- レクチャーしなくちゃvol.5「{完全/運動/普通}ノ芸術」 山本握微

29日(土)
15:00- 天野天街氏演出舞台映像、上映。
18:00- 吉原治良賞記念アートプロジェクト主催公開レクチャー「方法の芳香」 天野天街氏(少年王者舘)

30日(日)
15:00-  レクチャーしなくちゃvol.6「桃から生まれた「ももやまぶんこ」-児童図書館の意義と方法-」 ももやまぶんこを支える会
18:00- 運動会

20:00- 吉原治良賞記念アートプロジェクト・クロージングイベント
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最終日は、クロージング・パーティーを行います。お世話になったみなさんや関係者が大集合(のはず)。ぜひお越しください。差し入れ歓迎です!

2007年9月24日

妙な3連休

摩訶不思議イベントが続いた連休でした。

日曜日に行われたcontact Gonzoの式典では、賢者のみなさんに書いていただいたGonzoとは何かという法典が、Gonzoがおこなわれる中、読み上げられました。聖地の真ん中で、とっても激しい4人(!)のGonzo、なかなか見応えありました。少し遠くで離れて見ていても、バシっとか、ウッという音や声が聞こえてきます。飛び蹴りをしているところとか、エっ?という感じで見ている方が一瞬固まってしまうぐらい美しいところもあって興味深かったです。
ただ、Gonzoは「人に見せる」ことを第一にしているわけではないので、パフォーマンスとして完成されているかというとそうではないと思うのです。もちろん彼らもそのことをちゃんと自覚していると思うのですが、、、
過剰な演出ではなく、あくまでナチュラルで牧歌的な雰囲気を好むGonzoの今後、どうなるのでしょうか。気になります。

そして、昨日は、[studio]にてレクチャーしなくちゃの第4弾「物語の居場所」が行われました。講師は有限会社ブリューナクの代表取締役でライターの真弓創さん。握微さんとは、携帯小説の執筆者、その取りまとめ役として知り合われたそうです。確かに最近、本は売れなくてってきていると聞きますが、それは携帯小説やゲーム、ブログなど、別のメディアが出てきたからというわけでもなさそうな気がします。真弓さんからうかがった携帯小説における傾向、書籍化されるプロセスやその読者など、興味深いことたくさんありました。美術の居場所ってどこにあるんだろうというのは日々考えることですが、物語、小説などの居場所を考えてみるのは、新たな発見がいくつもあって個人的にはとても面白かったです。そして、本という形態にはやはり抗いがたい魅力、握微さん風にいうと魔力があるということ。確かにそうだなと思いました。何か文章を書いている限り、やはり書籍にして出版したいといいう気持ちがあるというのも、とてもよくわかります。これだけ、いろいろなメディアが普及しても、なぜか出版にはステータスがあるのです。物質として残るからなのでしょうか。

2007年9月23日

レクチャーしなくちゃ vol.4「物語の居場所」

そして続いて、月曜日には、山本握微さんのレクチャーしなくちゃシリーズの第4弾が行われます。こちらもぜひお越しください。

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公開レクチャー:レクチャーしなくちゃ vol.4「物語の居場所」
日 時:2007年9月24日(月・祝) 15:00-16:30・申し込み不要
会 場:[studio]
講 師:真弓創(有限会社ブリューナク代表取締役、ライター)

芸術表現において、言葉を用いる「文芸」は各種の造形とは違う方法と経路で流通し、消費されています。また言葉は本質的に「情報」であり、生の実体が特別な意味を持つ造形と、ある一線を画していると言えるでしょう。
元来、複製に適した性質を持つ文芸ですが、それ故に新しい媒体や技術の登場によってその在り方も大きく変化していきます。少し前には「活字離れ」とも嘆かれもしましたが、現在では誰もが携帯電話などの端末で自在に文字を扱い、ネットワークを介して書き手と読み手の距離は縮まりつつあるようです。
レクチャーでは、こうした状況の中でクリエイティブワークを展開する有限会社「ブリューナク」の代表取締役であり、ライターの真弓創氏をお招きし、「携帯小説の現状」「メディアの著作権」「ビジネスとしての物語というコンテンツ」などについてお話を伺いたいと思います。
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contact Gonzo式典(法典を待つ日没)

金曜日の西川勝さんを招いてのトークは非常に面白かったそうです。私、私用が重なり失礼したしまったのですが、残念!終わった頃に電話すると「今、西川さんと塚原さんがGonzoしてるところ。」というお返事が。。。気になります!またレポートお願いします。>山下さん

そして今日は、もうひとつの重要イベント「認定式」があります。

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日 時:2007年9月23日(日)日没より、contact Gonzoの聖地にて

contact Gonzoとは何か?という自らの問いに対するアプローチの一つとして、賢者との対話や、これまでの活動の中から暫定的に浮かび上がったcontact Gonzoの定義を回収し、纏め、法典化させる式典をcontact Gonzoの聖地にて執り行います。12人の賢者・知人たちに動物の毛皮などを送り、そこにGonzoの定義を書き込み、聖地に持ち寄っていただき、それを法典の第一章として納めます。
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日没、聖地と、これでどれだけの人がたどり着けるのか若干謎ですが、ぜひ来てください!聖地は、北区扇町にある公園です。キッズプラザ大阪が隣接しています。
今日の大阪の日没時間は17時54分。これぐらいに[studio]での展示を終え、みなで移動します。場所がわからない時間もわからない・・・と不安な方はこの時間までに[studio]にいらしてください。一緒に参列しましょう。

2007年9月21日

ゴンゾ大集合


今日から、contact Gonzoの展覧会「the last man narrative/contact Gonzoと世界の仕組み」
がはじまりました。
the last manって誰なんでしょう。

どんな風になるだろうと思っていましたが、Gonzoらしさが出ている面白い展示になっています。VJまでしちゃってカッコいいとこ満載。見ていると飽きないのですが、何でこの人たちはこんなことをしていんだろう?痛くないの?どこよそれ?大丈夫なの?などの疑問が次々に浮かびます。そうなれば、あなたはもうGonzoの虜かもしれません。

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展覧会:contact Gonzo『the last man narrative/contact Gonzoと世界の仕組み』
2007年9月21日(金)~23日(日)13:00-20:30(9月23日のみ日没まで)・観覧無料
会 場:[studio]

ただのパフォーマンスではない、変幻自在のメディアでもあるcontact Gonzoによる展覧会。contact Gonzoしながらお互いをインスタントカメラで撮り合う行為:「thefirst man narrative」【※5】の成果物である数々の写真をはじめ、様々な場所での Gonzoの記録映像の上映などを行います。また、9月21日には臨床哲学者である西川勝氏を迎え、「痛みの哲学/接触の技法」をキイワードに、トーク・セッションを開催します。最終日となる9月23日には、日没とともにcontact Gonzo法典の第一章の完成を記念した式典「contact Gonzo式典(法典を待つ日没)」を、contact Gonzoの聖地にておごそかに執り行います。
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今晩はレクチャーがあり、日曜日には認定式があります。

2007年9月20日

「それはあるいは自明のこと」

今、明日からはじまるcontact Gonzoの搬入の様子をさぐろうと、[studio]にやってきたのですが、相変わらずの雑然っぷりに少々呆然としてしまいました。。。
また冷蔵庫とか動かして、この人たちはいったいどないレイアウトするつもりやろう・・・・そしてあの丈が足りてない暗幕のはり方はいったい・・・・???などなど疑問&不安が心をよぎります。

ご本人たちは、本日夕方から来て仕上げる予定と私は認識していますが、もしかしたら、これが完成形なのかとおもわせるところもあって、悩みます。いい意味でも悪い意味でも、Goznoは展示という枠を飛び越えていく人たちなので。

明日からの展示&パフォーマンス期待しましょう。

初日の明日はトーク・セッションも行われます。

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トーク・セッション:「それはあるいは自明のこと」

2007年9月21日(金)18:30-20:30
会 場:[studio]
定 員:30名(要申し込み・9月3日より受付・定員に達し次第締め切り)・無料
ゲスト:西川 勝氏(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任准教授)
モデレーター:甲斐 賢治(NPO remo 代表理事 / NPO recip 理事)
申し込み TEL:06-4790-8520

自らを定義付けするため「賢者との対話」を望んできたcontact Gonzoが、看護師と
して医療の現場で多くの患者の「痛み」に「接触」してきた経験を持つ臨床哲学者・
西川勝氏を賢者として迎え、「Gonzoとは何か」をテーマにト-ク・セッションを展
開します。「痛みの哲学/接触の技法」をキイワードに活動を続けるcontact Gonzo
は、痛みの現場を哲学する西川氏の目に、どう映り、いったい何が見いだされるので
しょうか。
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痛みとかひとの温かさや生々しい感触って、現代社会においてはリアルなものとして意識する場面は案外少ないように思います。だからこそ、今なぜGonzoなのかを考えてみるのはとても興味深いと思います。医療現場という美術や芸術とは一見遠く離れた世界からの賢者が見るGoznoとはどんなものなのでしょうか。展示と併せてぜひお越しください!

2007年9月18日

[studio]から脱出

今週末は、展示、レクチャー、認定式と盛りだくさんのcontact Gonzo。

新たな動画がYoutubeにUPされました。
(面白いです。でもよい子はマネしないでください。)

bye-bye sudio (soto de asobou)
http://www.youtube.com/watch?v=jj_uwnmbL9s

the invisible bridge
http://www.youtube.com/watch?v=82n6Xjg_GUY

[studio]の外に出たいなぁというそこはかとない閉塞感を打破すべく、いとも簡単にそれをやってのけるのがこの人たちのすごいところだと思います。本能ですかね。これ。あるいはわざとなのかしら。

2007年9月16日

マジックテープの威力はいかに?



金曜日に行われたオープン・ミーティングでは、本当に会議っぽく<グルーヴチューブ>の今後について意見交換が行われました。

パラモデルは[プラレール」などの既存のおもちゃを使った作品をこれまでもたくさん作っていますが、自分たちで素材となるシステム自体を作ってみたいと考えて、試作したのが<グルーヴチューブ>です。アートカレッジ神戸、大阪府立現代美術センターでの入選展、国際芸術センター青森での展示を通して感じた問題点や課題について、ゲストに意見を聞いたりアイデアを出し合ったり・・・

<グルーヴチューブ>は発砲スチロールでできており、その発砲の金型をパラモデルの林さんはお父さんにお願いして製作してもらっています。発砲自体は、軽く、質感も気に入っているとのことですが、今の状態だと結合部分にかなりの問題があります。インスタレーションを作成するときに、自重でねじれたりはずれたり。。。現在は発砲の部分に穴が開いていて、そこにダボを差し込んでつないでいくという方式をとっていますが、それだけでは弱く、結合部分をビニールテープで巻いています。

これを解決するべく、パラモデルから新しい結合方式(ネジ式)の提案が行われましたが、下田さんの「構造的に無理やね」と一言であっさり却下。新たな方式としてマジックテープをすすめられました。私が聞いていても、マジックテープがいいかも!と思うほど、マジックテープの利点はパラモデルのインスタレーションには最適です。さっそく試してみるというこで、どうなるのかまた結果が楽しみです。

そしてもうひとつの課題、製品化についてですが、こちらはかなり難しく、、、、発砲という素材、収納に場所を取る大きさ、具体的なゴールがあった方がいいのか、何もつくれない何もできないという方が逆にいいのかなど、課題山積みです。
角田さんもおしゃっていましたが、「おもちゃ的には、いろんな制限があると無理」というのは当然で、こうでしかできない、という条件があると創造性にも広がりが出ず面白くありません。とりあえず、パラモデルが見本となるような、他の人がやってみたいと思わせる作品を作ることが重要であるということがよくわかりました。

他にもプラスチックの金型のこと、加熱と冷却にノウハウがあることなど、興味深いお話たくさん聞けました。
角田さんがデザインされた「パイプロイド」というおもちゃ([studio]にも展示中)は今年大きな賞の受賞が内定されたそうです。
<グルーヴチューブ>がここまで達するには、まだしばらく時間がかかりそうですが、何となく道筋が見えてきた感じのするミーティングでした。

私、個人的には、植物を支持体にしてみるとどうなるんだろう・・・と思ったりもしました。それでおしゃれで役立つんだったら、インテリアとして売れるかも。もはや、おもちゃじゃないけれど・・・

2007年9月14日

ぼくらのおもちゃ生産工場

今日から、パラモデルの展覧会「ぼくらのおもちゃ生産工場」がはじまりました。
また今までの展示にはなかった感じに仕上がっています。今日から日曜日までの3日間だけですので、時間をみつけてぜひお越しください。

今日は夜からオープンミーティングもあります。株式会社コトの角田さんにお越しいただくのですが、[studio]にはコトの「ひねもす」と「パイプロイド」いうおもちゃも展示されています。私は以前でき上ったおもちゃを見たことはあったのですが、作る道具を先ほど初めて知りました。なんだかおもちゃから想像するよりずっと本格的な機械っぽくて驚きました。
クリエイションコアの下田さんもとてもおもしろい方です。もの作りのこと話し出したら止まらないのですよ。楽しみです。

2007年9月12日

次はパラモデル

今月は、毎週末展覧会とイベントが繰り返されます。
今週末はパラモデルが登場します。

展覧会初日の金曜日には、オープンミーティングも開かれます。
ぜひお越しください!


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オープン・ミーティング:「僕らのおもちゃ生産会議」
2007年9月14日(金)19:00-20:30
会 場:[studio]
定 員:20名(要申し込み・9月3日より受付・定員に達し次第締め切り)・無料
ゲスト:下田正憲氏(財団法人大阪産業振興機構・ものづくり支援部参事)
    角田 崇氏(株式会社コト 開発部チーフデザイナー)
(申し込み TEL:06-4790-8520)

アーティストと町工場やものづくりに関わる企業が、商品の共同開発を通じて共生していくことは可能なのだろうか。このオープン・ミーティングでは、パラモデル考案のグルーヴチューブの商品化に向けて必要な要素やプロセスについて、大阪のものづくりの現場を支援してこられた下田正憲氏と、玩具開発・販売に関わる角田崇氏を交えて話し合います。またその中から、現代のアートと企業が互いにニーズを見いだし、手を結ぶ新たな関係構築の可能性を探っていきます。
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2007年9月11日

お疲れさまでした!

日曜日、夢をみる夢の「非公開ミーティングを公開」も無事終了いたしました。ライブでレポートできなかったのですが、なんだか変な催しで面白かったです。

私は午前中から夕方までしか見れなかったのですが、大崎さんのご両親がゲストとして登場したところとか、なかなか素敵でした!ご両親は、この3週、すべての映像をしっかりご覧になっていて、先週の物質の共有で尼崎競艇に行くところでは大爆笑してらっしゃいました。「あの映像があってよかったのよ」とおっしゃるお母さまのお姿、なかなか説得力がありました。

後半は、また別の盛り上がりを見せたと聞いています。高橋さんが、「今日、この日(最終日)を迎えられたことが、こんなにうれしい展覧会はない」と言ってましたが、やっている方はかなり過酷だったと思います。田中さんが涙した話とかリアルでウっときましたし・・・
本当にお疲れさまでした。

夢をみる夢は、俄然面白くなってきたのではと個人的には思っています。もういやや~とか言わんと、もっとやってみてください。(鬼)今後の活動に期待してます。

2007年9月7日

スキルの共有

とうとう、夢をみる夢の「3つの共有計画」の最終週です。なんだか金曜日の昼に、疲れ果てた高橋さんと大崎さんに会うのが恒例になってきたので、若干名残惜しいです。。。

今週はスキルの共有ということで、3人がこれまで習得する機会のなかったドイツ語を学び、ドイツ語でアートについて語り合うミーティングの様子が上映されています。

毎度のことながら、トラブルが発生してさきほどまで作品が一部届いていませんでした・・・・でも今回は台風のせいなので、どうかお許しを。(オープンしてすぐ見に来てくださった方々、本当にごめんなさい!!!)さきほど届きましたので、みなさまぜひお越しください。

作品の内容は・・・・また見てのお楽しみ。まぁ・・・ドイツ語?ヒドイですけど、ここにきてがぜん活き活きした田中さんを見ることができた感じがしました!

明後日、日曜日にはイベントもあります。何故、展覧会のオープンがいつも13時なのに、このイベントの開始が朝の10時なのかはなぞですが。。。。日曜の朝にさわやかに目覚めた人は[studio]に急げ!です。

2007年9月1日

今週の夢夢

なんだか、夢をみる夢は、アーティストとしてのキャラが完全に変わってきたように思います。入選展を見て、こんな風になるなんて、誰が予想できたでしょう。。。

昨日の、夢をみる夢、大崎さん、高橋さんの尼崎競艇の模様は、[studio]にて絶賛上映中です。とりあえず、このブログでの紹介は展示が終了してからにいたしましょう。

明日は、来週展示予定のもうひとつの共有計画、「スキルの共有」のための撮影を行うと聞いています。ドイツ語かぁ、もうほとんど忘れたな・・・と思いつつ・・・何をかくそう私、数か月間ベルリンに住んでゲーテにみっちり通って本気でドイツ語やったことあるのですが、討論できるまでになるためには、ソ・ウ・ト・ウの勉強をしなければならないと思います。ええ、かなり。とりあえず私には無理です。
がんばれ夢夢!・・・ということで、来週もお楽しみに。

来週は、イベントもあります。
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関連イベント:夢をみる夢「非公開ミーティングを公開」
2007年9月9日(日)10:00-18:00・参加無料
会場:[studio](中継場所)
ミーティング会場:[studio]の屋上(非公開)

夢をみる夢『3つの共有計画』のドキュメント展示期間中に[studio]の屋上にて、3人によるミーティングを行い、その様子をライブ映像として [studio]内に中継しま す。来場者は直接ミーティングに参加することはできませんが、[studio]内に設置されたPCからのe-mail送信が可能であり、3人はメールの内容にライブで応じていきま す。
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こちらもどうぞよろしくです。

2007年8月31日

物質の共有なるか?

今日から、夢をみる夢の「3つの共有計画」の二つ目、物質の共有はじまりました。
展示の概要は以下です。

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3人が欲しいものを共同購入することを目的にします。本プロジェクトの活動支援金である10万円を3人で等分した金額¥33,333(端数の1円は現在 studioに展示中)をそれぞれの方法で10万円に増やし、合計30万1円で1つの物を購入するまでのプロセスと共有の成果を公開します。
共有物:共同購入した物
ドキュメント:¥33,333を¥100,000に増やす過程を記録した映像、他
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私は先ほど[studio]に着いたのですが、大崎さんと高橋さんは、すぐに出かけていきました。なぜかというと、、、


それぞれが33,333円を10万円に増やして30万円にして何か物質を購入する予定だったのですが、高橋さんが33,333円を夏の思い出作りに使い切っただけだったからです!!!(驚)

そのまま使い切った状態で逃げ切ろうとした(!)高橋さんを無理やりひぱって、2人で尼崎競艇に向いました。大崎さん、田中さんの分、20万円を元手に単賞一点買いだそうです。うーん勝負師。またこの結果はご報告いたします。

現在、[studio]では、大崎さん、田中さんがそれぞれ33,333円を10万円にした方法と、高橋さんが33,333円を如何にして使い切ったかが上映されています。これまた性格がモロに出てます。
本日も24時まで。明日、明後日と続きます。ぜひご高覧ください。

芸術の意味

8月29日(水)の夜に、山本握微さんの「レクチャーしなくちゃvol.3」が開かれました。
今回は、同じく吉原AP入選作家である藤井光さんを招いてメディア・アートについてレクチャーを受けたあと、芸術とは何かについて、握微さんとの討論がなされました。


前半の藤井さんのレクチャーでは、ヨーロッパを中心としたアーティストの紹介等が行われました。バンクシーやThe Yes Men、比嘉豊光、IRWINなどが取り上げられてました。メディア・アートとして普通、例にあがるような作家さんたちというより、藤井さんの好みが表れたラインナップで興味深かったです。
(ちなみにIRWINは2003年に京都に来ていて、私はその時コーディネーターだったのでとても懐かしく思い出しました。)

芸術とは、アートとは何かというテーマは、アーティストにもそれらに携わる人にとっても、ずっと心に中にあるものだと思うのですが、それに対してどのような形であれ答えようとする姿勢というのは忘れてはいけないなぁと改めて思いました。基本中の基本ですが。

昔、尊敬する先生に「芸術の意味とは何でしょうか」とものすごく短絡的に聞いた時に、「自分の感覚を広げてくれるものでしょう。温泉につかっていい気分の時に、自分の体が溶けて世界の果てまで広がっていくような感覚。芸術は、そのような感覚をもたらせてくれるものだと思う。」と答えてくれました。これだと温泉も芸術か、ということになりそうですが、多分、そうなのでしょう。というか、別にそれでもいいと今は思っています。ひとが決める芸術の範囲なんてたかが知れているので、その時から私はあまり深刻に悩まなくなったのですが、真剣に考えることは大事だなと今回のレクチャーを聞いていて思ったのでした。

吉原治良が言った「ひとのまねをするな」はとてもキャッチーでよいスローガンになると思うのですが、ひとのまねをしないことが本当に可能か、真のオリジナリティがどこにあるのか、は永遠のテーマかもしれません。これについては、またちょっと考えてみたいと思います。それがアートとは何か、を考えることにも通じているように思うので。まとまってなくてすみません。

また藤井さんの「芸術裁判」プロジェクトは新しい局面をむかえているようです。これも、裁判をおこすことの意味は、芸術とは?アートとは?を社会に問うことにあるのかもしれません。また詳しくは後ほど。

2007年8月28日

ほねっこ食べて・・・明日のレクチャー宣伝文。

山本握微、改メ、ら氏より明日のレクチャーの宣伝文が届きました。
明日、ぜひお越しくださいませ!

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 僕は毎日、朝起きて、ほねっこ食べて、芸術について考え、ぱーっとして、ほねっこ食べて、芸術について考え、あくびして、ほねっこ食べて、芸術について考え、お出かけして、ほねっこ食べて、芸術について考え、テレビ見て、ほねっこ食べて、芸術について考え、なんや今日疲れたなあー、と芸術について考る、といった生活を繰り返している。それくらい、芸術について考えているのだから、既に深い知見を会得していても良さそうなものだが、記憶力の悪い僕にとってその時間の大半は、忘れてしまったそれまでの思考を思い出すことに費やされ、目立った進歩はない。踏台昇降運動の如く。

 それはともかく、「芸術とは何か」を問い、解き、説くことは僕にとって魅力的なことだ。芸術作品を制作したり、鑑賞するよりも。ところが、意外にも世間はそうではないのか。場合によっては愚問と扱われたりもする。

 何故か。ほねっこ食べて、その理由を考えてみた。取り急ぎ思いついた3つ。

 芸術とひとくちに言っても、色々あるのが原因のひとつか。アーティストといっても、おいは造形、あちきは写真、といった具合に、何かしらのジャンルに所属している。それについて考えるだけで充分だ。造形も写真も、それだけで考えきれないほど、考えるべきことがある。そちらの方が、より具体的で有意義かもしれない。それに較べると、芸術についてのみの思考は抽象的過ぎる。

 芸術が高尚とされているのもそのひとつか。芸術が、本当に高尚かどうか、これは大いに考えるべき問題で、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。最近、ほねっこ食べて僕が思うところ、これまで芸術は高尚ではない派だったが、高尚派に転向しつつある。でもまあ、真実はわからない。ただ、何故か芸術は高尚であると一般的に認知されている。俺は高尚だぜ、という言説で芸術を高尚とするのはいいのだけれど、ちょっとイラつくのは「僕のやることは芸術なんて大層なものではなく……」という自分を謙虚な文脈に置くために芸術を高尚に祭り上げる、というパターンだ(なので、芸術は低俗、と言う人は、自分の表現を芸術と言うので、高尚派と本質的に何ら変わりは無い)。話は逸れたが、高尚ゆえに「芸術とは何か」という問いは、忌避されやすい。

 あと、高尚ともちょっと関連しているのだが、芸術は、自然にやるってのが、ひとつの倫理とされていることだ。作為をみだりに匂わせてはならない。気付いたら絵を描いてました、というような。僕が「普通芸術」って言葉を使うと、「ええ、芸術は普通ですとも。私にとって表現は必然であり、ごく普通のことです」と得意そうに返す手合いがいる。こうした連中は、「芸術とは何か」について積極的に問おうとはしない。僕は決してそうした意見に反対しているわけでもなく、確かに芸術は自然にやるべきものかもしれない。ただ、そうではないかもしれない。

 何の話だったかな。ほねっこ食べて、そうそう、「芸術とは何か」という問いは、何故世間ではそんなに発せられないのか、その理由だ。そういうことかもしれない。いやいや、僕が知らないだけで、巷は芸術とは何かという話題で持ちきりかもしれない。

 さて、だからこそ、レクチャーしなくちゃ。3回目の講師は、メディア・アーティストの藤井光さん。藤井さんのプロフィールについては、吉原治良賞公式サイトなどでご確認ください。

 まず、藤井さんに「メディア・アート」とは何かを、海外の事例、及び藤井さん自身の作品を紹介していただいた上で、講義してもらいます。日本で、メディアアートというと単に、コンピューターやモニターなど、かつての絵筆や写真機に比べて新しい技術や機材を用いた表現、という風に僕も解釈していましたが、本当はそれだけじゃないみたい。
 続く後半では、いよいよ「アート」とは何かに迫ります。藤井さんの講義に、僕が抗議する形で進行するかもしれません。どういう風に話が落ち着くか、これはまだわかりません。ただ、キーワードは「を、も、作品とする」になるかもしれない。
 もうすぐ電車が会社の最寄り駅に着くから、ほねっこ食べて、妄想で言い切りますが、既に多種多様極まる現代の芸術を、しかし芸術作品たらしめているのは、飽くまでクラシカルな制度でしょう。わかりやすく言えば、どんな行為でも、それが美術館に陳列される絵画と思う。そのように扱う、批評する。どんな行為「を、も、作品とする」。
 「を、も、作品とする」はしかし、飽くまで、芸術家が嫌いそうな「制度」を地盤とする。「を、も、作品とする」でいいのかな。寧ろ戦略的に、そうした方がいいのかな。そんなことあたりから、藤井さんにお願いしたいと思います。

 もう、電車は着いて、駅のベンチ。会社へ戻ります。とにかく、面白い話が聞けそうなので、是非ご来場くださいませ。

「芸術とは何か、とは何か、とは……とは……はと、アートとは何か」

山本握微、改メ、ら氏の独自企画、レクチャーしなくちゃvol.3が水曜日に開催されます。

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レクチャーしなくちゃ vol.3 「芸術とは何か、とは何か、とは……とは……はと、アートとは何か」
日時:8月29日[水]19:00~(90分予定)・申し込み不要 
会場:[studio]
ゲスト:藤井光 (メディア・アーティスト、「吉原治良賞記念アートプロジェクト
2008」入選作家)
進行:山本握微(普通芸術家)

3回目となる「レクチャーしなくちゃ」では、山本と同じ入選アーティストである藤井光を講師として迎えます。
新しい技術や機材を用いた表現、という狭義のメディア・アートではなく、各種の社会制度を内外から実践的に問う「メディア・アート」を、藤井の作品や海外の実例を紹介しながら、掘り下げていきます。その上で、より普遍的で有用な「芸術とは何か」という定義を、改めて模索していきます。


藤井光
「吉原治良賞記念アートプロジェクト2008」参加アーティストの一人。全国の自衛隊駐屯地を前にビデオカメラを構えるパフォーマンス及びその記録映像『飛行少年死す』を「証拠」として、『芸術裁判』の実現を検討中。本プロジェクトでは既に、作田知樹(Arts&Lawディレクター)、森達也(ドキュメンタリー監督、作家)をそれぞれ招いた、公開レクチャーを開催。


山本握微(2007年8月23日より山本握微、改メ、「ら」)
1982年堺生まれ堺育ち、現在会社員。メタシアター専門「劇団乾杯」(作、演出など)、普通芸術「キワマリ」(運動展など)、おはなしや「今地球堂」(街頭紙芝居など)等で活動。現在、共有作業室「台美術」(南森町)が拠点。
キワマリ http://www.kiwamari.org/

2007年8月26日

山本握微、改メ、ら

この度、山本握微氏が改名されました。

その名も「ら」。



山本握微はいい名前だと思っていたので名残惜しいですが、今後とも「ら」氏を全面的に応援しましょう。足をひっぱらないよう気をつけて。


私も改名しようかな・・・それぐらいしか今考えつかないです・・・・

富士山最終日

studioから、山下です。

夢をみる夢の「3つの共有計画」その1、経験の共有の最終日です。
13時より、studio開放でございます。

昨日から始まった世界陸上もさることながら、大阪は今日も暑いですね。
こんな日こそ、富士山を登る3人のアーティストのドキュメンタリー映像を涼しい所で鑑賞しに来ませんか?

最終日といいつつも、テーマを変えて来週、再来週と夢をみる夢の展示は続きますが、富士山編は見ものです。かみ合わない3人の人間ドラマ(?)を見に、studioまでどうぞお越しください。

上映時間は・・・

"夢をみる夢"の「3つの共有計画」にたくさんのご来場ありがとうございます。
会場にはスクリーンが3つあって映像が常時流れていますが、上映時間は約40分です。できれば全部、見てほしい・・・・というか全部見た方が断然面白いです。できるだけ時間に余裕を持ってお越しくださいませ。

2007年8月24日

搬入は修羅場


今日から、"夢をみる夢"の展覧会「3つの共有計画」がはじまりました。今週は「経験の共有」ということで、3人ばらばらのところか出発し、山頂で待ち合わせるという富士登山の様子が展示されています。3人がビデオカメラを片手に富士山を登っていくのですが、それぞれの性格が如実に表れていてかなり面白いです。おそらく3人全員で揃って登ることは、不可能だっただろうと想像させるぐらいみんなマイペースで自分勝手で個性的です・・・

さらに搬入中に幾多のトラブル発生。大崎さん曰く「こんなんはじめてや!」というぐらいの進行で、いろんな意味で忘れられない夏になったことでしょう。今日から3日間、期間は短いですが、深夜24時まで開いていますので、ぜひぜひお越しください。

また感想もお待ちしてます!

2007年8月23日

思い出すことに他ならない

2007年8月18日

山本握微 独自企画「レクチャーしなくちゃ」
第二回 思い出すことに他ならない
ゲスト 益山貴司氏 
劇団「子供鉅人」主宰にして、谷町6丁目にある路地裏長屋カフェバー「ポコペン」の名物マスター。

本プロジェクト入選作家の山本握微と同年齢であり、演劇という共通項で結びついている二人が「場」をキーワードに対談をしました。
「場」というテーマは、『益山氏の劇団、子供鉅人は、決して「様々な場所で演劇しよう」ということをコンセプトに活動をしているわけではない。僕は彼の劇団を旗揚げから観てきたが、「色んな場所で演劇してるな」と感じたこともない。だが、気がつけば、手を変え品を変え場も変えて、舞台を作っている。』という山本の言葉が裏付けるように、益山氏の表現活動に大きく関わっているように見えます。その実態を探り、多くの表現者の悩みの種である「場」について益山氏の話を伺うことがこのレクチャーの目的でした。

まず、益山氏のいでたちとキャラクターに、その場の誰もが引きつけられた。甚平を身にまとった益山氏は、独特の砕けた喋り方で、テーマに関係あること無いことを多く語ってくださいました。

「場」については、特に意識せず、人と人との繋がりで、同時に巡り会わせでしかなく、それこそ必然的にそうなっているということでした。知っている劇空間が南森町の家の近所にあるプラネットステーションで、そこから人に紹介されながら様々な場所を渡り歩いて、今のポコペンに辿り着いたそうです。自由人を思わせるその風貌と、人当たりの良い雰囲気から、そういった必然性は、妙な説得力を持っていたように思えました。

そこから話はタイトルにあるように「思い出すことに他ならない」から派生し「思い出す」ことについてに移っていきました。このタイトルは益山氏の言葉の引用です。山本が言うには、劇作を指しての言葉だそうです。

「思い出す」ことはごく自然に行われている行為です。しかし思い出すためには、装置が必要です。当時の物や事、事件など、その装置は様々です。ここでは様々な話題が飛び交いましたが、印象的だったのは在日コリアン4世である益山氏が幼少期から体験し、当たり前だと思っていた「韓国流の法事」についての話についてでした。

日本の法事とは違い、物凄い数の料理が食卓に並び、先祖への経緯を表す韓流の法事は、親族の誰もがそこに見えない先祖をあたかも存在しているように扱うらしく、その行為に益山氏は子供ながらにショッキングだったとのことでした。
益山氏はそこにもしかしたら自分の演劇のルーツがあるのかも、などと笑いながら話していましたが、個人の生まれた時代や取り巻く環境、それこそ「場」が、人格の形成に大きく影響するのだなと、改めて実感できました。

本プロジェクト審査員の芹沢氏もお見えになり、アフタートークも楽しく過ごすことができました。ご来場くださった方々に感謝の意を申し上げます。

さーて次回「レクチャーしなくちゃ」は
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8月29日(水) 19:00~(90分予定)・申し込み不要
会 場:[studio]ゲスト:藤井光 (メディア・アーティスト、「吉原治良賞記念アートプロジェクト2008」入選作家)
進行:山本握微(普通芸術家)

3回目となる「レクチャーしなくちゃ」では、山本と同じ入選アーティストである藤井光を講師として迎えます。新しい技術や機材を用いた表現、という狭義のメディア・アートではなく、各種の社会制度を内外から実践的に問う「メディア・アート」を、藤井の作品や海外の実例を紹介しながら、掘り下げていきます。その上で、より普遍的で有用な「芸術とは何か」という定義を、改めて模索していきます。
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沢山のご来場をお待ちしております。

益山氏は現在劇団のヨーロッパツアーに行っております。ご無事と成功をお祈り致します。


(山下)

搬入の山場

明日から"夢をみる夢"の展覧会『3つの共有計画』がはじまります。

夢夢("夢をみる夢"の略称です)の大崎さんと高橋さんは、今から[studio]に泊まり込んで搬入の山場へ一直線でしょうか。設営と編集を同時並行でやると聞いています。
展覧会は3週間連続ですが、週末だけのオープンです。他の展覧会とは違い、深夜12時まで[studio]は空いていますので、ぜひぜひお立ち寄りください。

今週末は、「経験の共有」ということで、夢夢の3人が別々のところから出発し富士山頂を目指し、山頂からの眺めを無事共有できたのか?がついに明らかに。私もまだ結果を聞いていないので、とても楽しみです。

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夢をみる夢 展覧会『3つの共有計画』
会期:2007年8月24日[金]~26日[日]、8月31[金]~9月2日[日]、9月7日[金]~9日[日]
時間:13:00~24:00
観覧無料

3 週連続で行われる"夢をみる夢"の新しいプロジェクト。一人一人の生い立ちが違うように、現代に共通するリアリティ・・・と言ってもそのレベルは様々。夢をみる夢も三人三様。そんな中で、ひとつの目的を立て、それを実行することで、「他者と共有できること」「共感の可能性」を探ります。この計画は2007 年6月9日(土)、「studio」にて夢をみる夢の3人により正式に決定されたもので、その日から「共有」が達成される日まで、3人は互いの方法を打ち明けないまま計画を進めています。
[studio]では、それぞれの共有計画の成果を順次公開します。 

夢をみる夢『3つの共有計画』とは
「経験の共有」 決められた日時に富士山の山頂で待ち合わせ、そこから一緒に景色を眺めることを目的とします。
「物質の共有」3人が欲しいものを共同購入することを目的とします。吉原治良賞の活動支援金10万円を3人で分けた金額、\33,333(割り切れない1 円はstudioで展示中)をそれぞれの方法で10万円に増やし、合計30万1円で1つの物を購入。そのプロセスと共有の成果を公開します。
「スキルの共有」3人が本格的に学習したことがないドイツ語を習得し、ドイツ語でアートについて語ることを目的とします。

2007年8月18日

「思い出すことに他ならない」 って何を?何が?

明日、[studio]にて、山本握微さんのレクチャーしなくちゃvol.02「思い出すことに他ならない」が開催されます。
表現活動と場所の問題は、きってもきれない関係にあります。軽やかにそれらを越えて活動する人には、きっと素敵な魅力があるに違いないと思います。明日のレクチャーは、その魅力を体感し、私達に与えられた[studio]という場所をあらためて考える機会になるでしょう。まだまだ暑い日が続きますが、ぜひお越しください。[studio]はもちろん冷房完備です!

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山本握微レクチャーしなくちゃvol.2「思い出すことに他ならない」
 日時:8月18日[土]17:00~(90分予定)・申し込み不要 
 ゲスト:益山貴司(劇団「子供鉅人」主宰、カフェバー「ポコペン」店主)
 モデレーター:山本握微(吉原治良賞記念アート・プロジェクト入選作家)
 内容:劇団の主宰として脚本と演出を手掛ける傍ら、長屋カフェバー「ポコペン」の
  名物店主として親しまれ、さまざまなイベントを手掛ける益山貴司氏をお招きします。
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以下、握微さんによる紹介文。

演劇が行われる場所は、必ずしも屋内の、上演設備の整った劇場に限らない。野外で行われることもあるし、カフェで行われることもある。本来は造形を展示するためのギャラリーで行われることもあれば、音楽を演奏するためのライブハウスで行われることもある。
 そんな知った口をきくと、言われるまでもなく知ってらい、と多くの方に思われることだろう。昨今の多用な劇団を眺めてみれば、そんな公演形態は珍しいことでもなんでもない。しかし、改めて感心したのは、次のレクチャーでお呼びしている益山貴司氏は、自身の主宰する劇団で、今挙げた場所は全部、公演経験があること。氏の経歴を整理していて、その意外な網羅っぷりに驚いた。
 しかし、氏の劇団、子供鉅人は、決して「様々な場所で演劇しよう」ということをコンセプトに活動をしているわけではない。僕は彼の劇団を旗揚げから観てきたが、「色んな場所で演劇してるな」と感じたこともない。だが、気がつけば、手を変え品を変え場も変えて、舞台を作っている。
 しかも上述のカフェとは、自身が経営するカフェだ。谷町六丁目駅を降りた、路地裏の奥にある長屋。このカフェが氏にとっての生計の手段でもある。また、それ自体が表現の場であるだけでなく、その場で交わされる出会いが、別の場を誘う。
 8月下旬にはヨーロッパでのツアーも控えている。
 何かしらの表現活動をしている人にとって、最初に、或いは最後に問題となるのは「場」である。お金が沢山かかるかもしれない。悩みの種であり、また作品の根本を決定しかねない問題だ。氏は、どうやって場と関わってきたのだろう。そんな話を伺いたい。
 でも、それは氏にとっては大層な問題でもないかもしれない。以前、彼はチラシか何かで劇作を指して「思い出すことに他ならない」と書いていた。思い出す、とはごく自然なことだ。彼は他人と他所の記憶も思い出そうとする。
 吉原治良賞記念アートプロジェクトには「studio」という期間の定まった場がある。僕は、ここで何を思い出すことができるのか。取り合えず、氏を招いて、レクチャーしなくちゃ。

2007年8月15日

クリエイションコア東大阪


山本です。
昨日、パラモデルと一緒に「クリエイション・コア東大阪」に打ち合わせに行きました。以前、一度おうかがいしたのですが、具体的なことが見えてきたので内容を詰めに。昨日もまた、いつもお世話になっているものづくり支援部参事の下田さんからいろんなお話うかがえました。
下田さんは、先日までロケットを打ち上げるためにフランスに行っていたそうです。クリエイション・コアでは、独自にロケットを開発中で、数年後には宇宙に!という計画があります。写真をいろいろ見せていただきながら、ロケットに絵を描いてみないかということになり、来年はパラモデルも協力したロケットがうちあがるかもしれません!

パラモデルが生まれ育った東大阪は、ものづくりの町と言われていますが、「ものづくりちゃう、加工の町になってしもた」というのが下田さんのお言葉。クリエイション・コアは、ものづくりに対する危惧からそれらを支援するためにつくられた施設です。今回のパラモデルのプランでは、入選展でも披露された新しい素材<グルーヴ・チューブ>を実際にもっと使いやすく改良し、製品化するためにはどうしたらいいのかを考えるオープンミーティングを開きます。パラモデル、下田さん、株式会社コトというおもちゃメーカーの方を招き、9月14日(金)19時から。
これまでの吉原APのアプローチとはまた違ったものになりそうです。

写真は、去年打ち上げたロケットを見ながら下田さんから説明を受けるパラモデル。

2007年8月11日

希望のひかり

今日で「アーティストの夏休み」展終了しました。見に来てくださったみなさん、手伝ってくれたみなさん、楽しんで作品を作ってくださった作家のみなさん、どうもありがとうございました。反省することもいろいろありますが、なんだか私も楽しめてよかったです。また感想は、できるだけ書きます。紹介できていない作品もあるので、それらについても言いたいことがあるのです。


で、

最終日の今日は山本握微さんの自主企画「レクチャーしなくちゃvol.01 普通芸術家『池上宣久』」も行いました。こちらも暑い中、たくさんのご来場ありがとうございました。池上さんのお話、とても面白かったです。人生における転機とか決定的な出来事って、自分のことじゃなくてもやっぱり本人から聞くと面白い。特に池上さんは、人生楽しく生きる術をよくご存じで、それを無理なく体現されているのが伝わってきて、聞く方もとてもリラックスして話をうかがうことができました。突然、詩を朗読される様子には、若干面喰いましたが、「波平の毛」とかインパクト充分。吉原アーティストのみなさんも、あれぐらい益々突き抜けてほしいものです。(小希望)

2007年8月10日

そして富士登山

そして明日11日は、"夢をみる夢"の富士登山開始日です。今頃、大崎さん、高橋さん、田中さんの3人は準備に余念がないはず。はず。はず。です。
3人は東京、名古屋、京都と別々のところから出発して、無事に山頂からの眺めを共有できるのでしょうか?

チラッと小耳にはさんだのですが、高橋さんは山小屋の予約を忘れていて、廊下で寝ることになったとか。田中さんは女性なのでとても心配と思っていたのですが、どっちかっていうと大崎さんの方が体力なさそうな気も・・・・でも一番、不安を口にしていたのは高橋さんだし・・・。
何はともあれ、みなさんご無事で。

富士登山の様子は、8月末から始まる"夢をみる夢"「3つの共有計画」という展覧会で紹介していきます。また詳細情報は後日お知らせします。お楽しみに。

山本握微自主企画第1弾

明日、展覧会の最終日です。夏休みのように本当にあっというまですね。
最終日を飾るイベントとして、16時半からアーティスト・トークと、15時から山本握微さんのトークがあります。握微さんのトークでは「普通芸術」を体現している池上氏を招いてお話をうかがいます。
普通芸術って、普通と芸術はそんなに相容れないものなのかしら、と主婦の私は思ったりもしています。私は自分のことをいたって普通と思っているのですが、わざわざ普通芸術を標榜すること自体が、もしかしたら、芸術を普通から遠ざけているのでは・・・なんて質問をしてみようかしら。わざとそうしているのなら、とてもアーティスティクですよね。そこが握微さんの謎であり、魅力でもあるのかしれません。
アーティストってみんな自分の中に何か葛藤とか相反するものを抱えているように思うのですが、この人の場合、それがとてもわかりにくいのです。要するにそれが、普通と芸術であるなら単純ですが、おそらく違うというのが私の直感です。これを明日確かめることができるのでしょうか。。。


■山本握微自主企画:トーク・セッション vol.01 「普通芸術家『池上宣久』」
日時:2007年8月11日(土)午後3時~ 
会場:[studio](Espace446 2階)
ゲスト:池上宣久(会社員、コモンバー「SINGLES」運営スタッフ)
モデレーター:山本握微(吉原治良賞記念アート・プロジェクト入選作家)

山本握微が常日頃口にしている「普通芸術」を、アッサリ体現している池上氏。年間、膨大な数の演劇公演を鑑賞しつつ、ミステリーマニアとして「飲み会クイズ」「推理合戦バー」を開催するなどの活動を行う。また、最近は詩のボクシングにハマり地区大会にも出場。表現と鑑賞の彼方で、会社にも通勤するという池上氏を招き、山本と普通芸術について語る。



第2弾の日時も迫っているので、告知です。こちらもぜひお越しください。


■山本握微自主企画:トーク・セッション vol.2「思い出すことに他ならない」
日時:2007年8月18日(土)午後5時~
会場:[studio](Espace446 2階)
ゲスト:益山貴司(劇団「子供鉅人」の主宰、長屋カフェバー「ポコペン」店主)
モデレーター:山本握微(吉原治良賞記念アート・プロジェクト入選作家)

益山氏は、場を存分に楽しむ遊戯者であると同時に、自身も場の運営者です。「思い出すことに他ならない」とは氏が以前「劇作」を指して用いた言葉で、今回のレクチャーの題として引用させていただきました。当初、僕にはその言葉の意味がよくわからなかったのですが、さまざまな意味で「場」を辿るその行為は、確かに何かを思い出す作業のように感じます。同じく劇団主宰者でもある山本の進行で「場」を巡るお話を伺いたいと思います。

2007年8月9日

引き続き 夏休みの思い出・・・・

呉夏枝(Oh Ha-ji)さん>
小学生のころどうにかして宿題をはやく終わらせたかったので、絵日記、観察日記、読書感想文の宿題は嫌いだった。でも工作は家にある材料を工夫してつくっていた。母の洋裁のはぎれは大切な素材の一つだった。


彼女の作品は入口に入ってすぐのところに展示しています。エスキース2点と小さな「民族衣装」です。家にあったはぎれで作ったと聞いていますが、主に使われている絣の布は、彼女が自分で織ったものです。襟元にはタティングレースという方法で作られたかわいいレースも。


森谷悠加さん>
長い日々、未知のことにふれ時を忘れ、熱中感動したコトタチ。自然のなか、物語のなか・・・ミクロからマクロまで、太古から未来まで。


呉さんの隣に展示しているのが森谷さんの作品です。海をイメージしたような夏らしい作品です。

夏休み 宿題の思い出・・・・


現在開催中の展覧会「アーティストの夏休み」にあわせて、作家のみなさんに夏休みの宿題の思い出につて書いてもらいました。


二木奈緒さん>
子供の頃から「図画工作」がすきで、中でも夏休みの宿題は何を作ってもいいので夏休みの一大イベントでした。漢字や数学のドリルはそっちのけ。ある夏は、恐竜図鑑とにらめっこし紙粘土で形を作り絵の具をぬって手作りジェラシックパーク。またある夏は、母がくれた端布をハサミとボンドで切り・貼り・切り・貼り、お手製タペストリー。思えば今とそんなに変わらない。もしかしたら私の制作活動は毎日が夏休みの宿題のようで、最近ではそれが生活の中心になってきたのでうれしい。


ばんばまさえさん>
他の宿題はほとんど9月前に慌ててやってましたが、図画工作や家庭は早めに楽しんで作っていました。 思い出に残っているのは、家庭科の自由課題で、物語の一場面をパッチワークで表現したもの。 絵の具を使うより不便なのですが、それがかえって面白くていろいろ工夫した記憶があります。


谷本良子さん>
夏休みが終わると私の通っていた小学校では、全学年の夏休み自由制作を体育館に一斉に並べ、展覧会のようなものをするのが慣わしでした。当時小学3年生の私にとって、6年生の作品はとても大人っぽく、かっこ良く見えたものです。その中でもとりわけ私の目を引いたのは、布の端と端を縫い合わせ、布の耳を折り返し、ゴムを入れた、かわいいポケット付きのチエックのスカートでした。それをべたべたと触っては、私も作ってみたいと強くあこがれました。次の年の夏休み、私は親のミシンをこっそり使って、なにやら服のようなものを作ろうと試行錯誤してみたのですが、ミシンをぐちゃぐちゃにしただけで、スカートを完成させる事は出来きませんでした。そして、最後の一日に苦し紛れで石鹸箱に折り紙を貼付けただけのどうしようもないような貯金箱を作ってしまい、たいへん恥ずかしかったという苦い思い出があります。



谷本さんのような経験、私にもあります。みんなの作品を全部並べてみた時に、どうしようもなく自分の作品が恥ずかしかったりして・・・・次はがんばろう・・・・と思うのです。

2007年8月8日

アーティストの夏休み

山下です。

現在開催中の展覧会「アーティストの夏休み」は、僕が北海道での実習などもあり、山本コーディネーターが一人で仕切った展覧会です。
色々なギャラリーでグループ展は日々行われているが、何か外に開かれていないものが多いように思う。
どこかそのテーマに共感できなかったり、専門的すぎたり、難解すぎたり・・・と様々であるが、この展覧会に関しては、誰もが共感できるテーマで、またアーティストが学生の頃に行った、いわゆる制作のルーツを思い出しながら作品を作る。何だか素敵ですね。
「今なら自分は何作るかなぁ?」なんて本気で考えてしまうような展覧会のテーマでした。

客として見て、知らない作家さんも沢山居たのですが、山本さんが言うように、性格が出てます。
特に吉原治良賞記念アート・プロジェクトの入選作家から例を出して言うと・・・

藤井光「homework」(映像)
夏休み、思う存分遊んだ奴が、夏休みの最終日に絶対こうなる!!という情景が想像できます。
でもこれはさすがに映像作家の作品だけあって、ちょっと違和感があります。
ちょっとひねりがあって、そのひねり方が自衛隊の基地を撮影して作品にしている藤井光ならでは、といった印象を受けました。

contact Gonzo(映像)
これと同じようなこと、僕も小学生の頃友達とやりました。楽しくて楽しくて仕方が無い記憶しかないのですが、大人になってやると、こんなにもリスクを伴うものなのか・・・と確認できました。
同じことをやっているように見えても、取り組み方とモチベーションの違いで、人が余裕で怪我をしています。
それは、同時展示の写真が物語ってくれます。

というように、人それぞれです。本当はもっと言いたいのですが、ここはグッと抑えておきます。
14人のアーティストによる夏休みならではのグループ展。
是非見に行ってみてはいかがでしょうか。


(yamashita)

2007年8月7日

宿題に追われるアーティストの姿


今日から、446で「アーティストの夏休み」展はじまりました。

実は昨日の搬入は、出展してもらっている作家さんの数も多くて、ドタバタだったのですが、後で振り返ると、みんな本当に夏休みの宿題に追われている小学生のようでとても面白かったです。じゃんじゃん、私のところに電話してきて、間に合わないとか、遅れると言ってくる人もいれば、すっかり前に出来上がっている余裕の優等生もいて、みんなたぶん、昔も同じやったやろうな・・・・と一人納得していました。想像すると面白くて、きっとこの人は小学生の頃からソツなくこなしているはず、とか、予想外のことが起こってバタバタしている姿とか、もう突き抜けて明日(会期2日目)搬入するとか・・・それは9月10日頃宿題を持ってくるやつみたいやん!・・・と笑えました。

作品も個性豊かでとてもおもしろいです。

写真は、"夢をみる夢"の田中さつきさんの「あさりの観察日記」です。手に取って中を見ることができます。私は笑ってしまったのですが、泣いたという人もいて魅力的な作品です。

以下、田中さつきさんの夏休みの思い出。
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今考えるとよくわからないけど、子供の頃、毎年やたらと観察日記とやらをつけていた。 朝顔の観察日記、ありの観察日記、クラスメイトの はみパン日記。 別に対象に深い思い入れはない。ただ、「観察」して妄想することが好きだった。
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2007年8月4日

アーティストの夏休み

みなさん、夏休みの宿題ちゃんとやる方でしたか?私は、ギリギリになっても出来なくて家族総出で・・・というほどではありませんが、まぁ、だいたい日記も全部まとめて書くタイプでした。自由工作などは特に苦手で、いつも家族の手を借りてましたね。基本的にイラちで大雑把なので、うまくできないことが悔しかったり、あまりの仕上がりの悪さにショックを受けたりしてたように思います。

さて、来週から新しく企画展がはじまります。吉原APの5組のアーティストと7人の若手注目作家が「夏休みの宿題」に挑みます。こんな豪華で面白いラインナップってあんまりないと思います(自画自賛)。それぞれの作家の特徴が出ている作品が勢ぞろいです。ぜひご高覧ください。

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企画展『アーティストの夏休み』
会期:2007年8月7日[火]~11日[土]
時間:13:30~21:00(最終日18:00まで) 観覧無料
企画・コーディネート:山本麻友美

出展作家:contact Gonzo、パラモデル、藤井光、山本握微、大崎のぶゆき(夢をみる夢)、田中さつき(夢をみる夢)、高橋耕平(夢をみる夢)、石垣陽子、呉夏枝、谷本良子、二木奈緒、ばんばまさえ、森谷悠加、よしだやよい

*最終日8月11日16時半~一部出展作家によるアーティスト・トークを行います。
(同日15時より、山本握微自主企画トーク・セッションも開催します。詳細はまた別途。)
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最近のアートは、コンセプトや理念だけでも成立し、作品として“もの”がないこともあります。吉原治良や具体の作品にあって、今のアートにないものは何だろうと考えた時に思ったのが、存在としてのダイナミズムでした。もちろん、“もの”がなくても“もの”にこだわらなくても全くかまわないと思うのですが、この展覧会では、何も考えずに単純に見て体で感じる感動をもっと味わいたいと思い企画しました。
「シンプルでわかりやすいもの」ということで思い出したのが、小学生の時の夏休みの宿題です。たいして大きい作品でもないし斬新さもなかったかもしれないけれど、やっぱり子どもの頃につくったもの、なぜかわくわくしました。それは存在としてのダイナミズムの萌芽のようなものかもしれません。
さらに、アーティストと呼ばれる人たちは、やっぱり子供の頃からすごくカッコいいものを作っていたのでは?と想像します。幼い頃の、創作の喜びとか楽しみ、あるいはトラウマとかコンプレックスを存分に思い出しながら、宿題に取り組むアーティストの夏休み。忘れ物をきっと見つけることができるはずです。

少しづつ、それぞれの作品と夏休みの思い出などもこのブログで紹介していけたらと思っています。

2007年8月2日

contact Gonzo rules!!

うれしいお知らせがあります!

contact Gonzoが先月29日に行われた「720アワード@pamo2007」にて大賞を受賞しました!!!
その時の映像を、Youtubeで見ることができます。

contact Gonzo / damaged sons on border (1of 2)
contact Gonzo / damaged sons on border (1of 2)

そして今日は、昨夜の森さんを招いてのトークの興奮さめやらぬ中、藤井光さんとcontact Gonzoさんは、午前中からGonzoの聖地・扇町公演にて撮影を行っています。これは、吉原APの本筋とは全然関係ないのですが、この2組が独自に進めているプロジェクトです。こちらの内容についても、また徐々にご紹介したいと思っています。(すごく面白いことをしようとしています。早く言いたい・・・ウズウズ・・・)

Gonzoは、明後日8月4日には、びわこホールのイベントに出演します。
8月 4日(土)12:00 大橋可也振付/東野祥子ソロダンス・contact Gonzo
なんと無料!ブレイク寸前のcontact Gonzoにぜひご注目ください。

満員御礼

今日のレクチャーは、本当にたくさんの方にお越しいただきました。(狭い、暑い、さらに前半は一部聞こえにくかったりと、いろいろお迷惑おかけしましたが、、、)とても有意義で重要なキーワードがたくさん隠されているトーク・セッションになったと思います。

いろいろ書きたいことはあるのですが、私の中でまだ消化しきれていないので、詳しくは後日改めますが、今後、美術が社会の中で担っていく役割などについて意識させられる部分が多かったように思いました。いろんな要素がてんこもりだったので、見に来ていただいた方それぞれの中で、印象に残っている部分が全く違うのではないでしょうか。またご意見、ご感想などもお寄せください。

2007年8月1日

本日のトーク・セッション


今日18時半より、ドキュメンタリー作家で映画監督でもある森達也さんを招いてのトーク・セッションがあります。

定員を上回りたくさんお申し込みいただいたようです。(受付はいったん締め切りました。)ご来場、いただくみなさん、どうぞお気をつけていらしてください。今日お越しいただけない方も、またこのブログでも様子をご紹介しますのでお楽しみに。

2007年7月30日

萌の朱雀

今日は、[studio」で"夢をみる夢"の高橋耕平さんと、現美センターの正木さんと打ち合わせをしました。"夢をみる夢"の非公開レクチャーの段取りについての話し合いです。懸案だった場所の問題もクリアーできて、内容も固められそうです。(>山下さん また報告します。)

ちなみに"夢をみる夢"の「3つの共有計画」のうちのひとつ、富士登山は8月11日に決行予定だそうです。さてさて3人は別々のところから出発し、無事、山頂で落ち合うことができるのか・・・楽しみです!

で、全く関係なく高橋さんとべらべらしゃべっていた時に、田舎の話になって、私の実家は河瀬直美監督の『萌の朱雀』のところですよ。というと、高橋さんも泣きましたとのことで意気投合!私はあの映画、自分のために作られた映画だと秘かに思っているぐらい思い入れがあるのです。近所の人もたくさん出ているし、今はもうない幼稚園もバスが通っていた道もどれもなんとも言えない気分にさせてくれるものでした。久しぶりに見ようかな。

そして明日31日は、藤井光さんのレクチャーが神戸大学であります。明後日1日の森達也さんをむかえてのトークの前ですが、こちらもぜひお越しください。

【芸術裁判】レクチャー 藤井光
【日時】2007年7月31日(火)15:30~17:30
【場所】神戸大学発達科学部C棟(音楽棟)101教室(無料)
【お問い合わせ】yamazakimama@hotmail.co.jp

2007年7月29日

北海道より。

こんにちは、北海道よりアートコーディネーターの山下です。
身辺報告も兼ねてお便りです。

大阪の夏は蒸し暑くて死にそうですが、ここは極楽、窓を開けて寝たらカゼひきます。
そんな環境の中で、私は今「北海道立近代美術館」にて博物館実習というものをしています。

最近人気(と聞いています)の学芸員になるための実習で、ニュアンスは教育実習と変わりないと思います。
家からの通いで8時に家を出て、8時に帰宅。という毎日です。その時間外にこのプロジェクトのことや自分の企画のことをやる。想像以上のものでした。

入選作家の山本握微が掲げる「普通芸術」
制作する人間の立場が「普通」であること、つまり一定時間働き、報酬を得る、企業に属するなどした人間が行う芸術活動を総称したものです。一定の報酬を得ているので、制作活動や展覧会にかかる費用は全額自分で賄う。そうすることで自分だけの表現ができる、と山本本人も言っていました。
日曜画家と同一視されそうですが、決定的に違うのは、自ら積極的にアート界と接点を持とうとすることであると言っています。

日常的な「仕事」と、その間にある時間を使っての「制作」を両立して行うことは、並大抵のことではありません。
山本握微は、展示の度に徹夜をして、朝「行きたくねぇー」と言いながら仕事に行っています。
何となく分かってはいましたが、学生の私にはリアリティが無いままでしたが、今、ひしひしと実感しています。

芸術系の実習とはいえ、たっぷりと時間拘束され、その間は自由時間が殆どありません。
帰ってから夕食、風呂のほか、日誌や報告書、次の日までの課題をこなすともう11時。ここから自分の時間になるのですが、気力が持ちません。
この状態から、制作活動に移行するアーティストの熱意には、ただただ感服します。

しかし山本の言う「普通芸術」は、何も山本だけが実践しているものではありません。
同じく入選作家の藤井光も自分の仕事を持ちながら(映像という項で繋がってはいるが)制作をし、夢をみる夢も、大学の講師をしながらと、考えてみればみんな普通芸術家かもしれません。
ただ山本握微は、日本においてごく一般的な「サラリーマン」の形態で活動しています。
ちなみにstudioには山本握微の給与明細も展示されています。笑

日本におけるアートへの支援の無さは、こうしてみると顕著に現れます。
「好きなことやってるんだから仕方が無い」という一般の方の意見はごもっともですが、今やアートはその地域の、その国の文化のバロメーターとして、先進国の間では評価されます。
逆輸入主体の日本美術が、いつか変わってくれればと、思いながら僕もこうやって文章を書いています。

学芸員になりたい人が増えているなら、その傾向がプラスに転化していけば良いなと思います。
学芸員もコーディネーターも、やっていることに大差はありません。どちらもストイックで大変な仕事だと思います。

「コーディネーター」を公募したこの吉原治良賞の意義は、「コーディネーターが必要だ」という、そういうメッセージが込められているのかと、考えさせられます。

そのためにも「需要」が無ければならないと、考えています。
見る人が増えれば、認知も広まる。
単純なことですが、そうなのかな、と思いました。

そのためにコーディネーターがしなければないこと、山積みです。
まず、皆さんに見てもらわなきゃないので、これからの告知です。

8月1日の森さんのレクチャー、コーディネーターの山本さん主催の「アーティストの夏休み」に続き、8月末からは各作家による展示がなんと毎週末行われます。

この5組の作家の中から、9月以降の二次審査で1組が選ばれる。
一体誰が選ばれるのでしょうか?私も検討つきません。
このプロジェクトにおける展示の側面には、そういった問題もあります。審査員になったつもりで、これからの展示を楽しむ。そんな楽しみ方もあるのではないでしょうか。


yamashita

ここにまだ登場していなかった

このブログに全然登場していない、入選作家さんがいますが、何も活動していないわけではありません。ちょっとだけフォローしときます。


パラモデルさんは・・・・

8月1日~9月2日 高知県立美術館にて展示とワークショップ
8月19日 福島県立美術館にてワークショップ
9月1日~9月17日 横浜バンクアートにてグループ展
9月7日~9 月7日 神戸アートビレッジセンターにてグループ展
9月24日~10月22日 中国北京にてグループ展

・・・と吉原以外の活動も目白押しです。[studio]での展示は、9月14日ー16日を予定しています。新しく開発された素材<グルーヴ・チューブ>の可能性を探ります。



また、夢をみる夢さんは・・・・

「3つの共有計画」という新しいプロジェクトを開始しています。これも今までに聞いたこのない斬新な計画です。
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一人一人の生い立ちが違うように、現代に共通するリアリティ・・・と言ってもそのレベルは様々。夢をみる夢も三人三様。そんな中で、ひとつの目的を立て、それを実行することで、「他者と共有できること」「共感の可能性」を探ります。
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と趣旨を一部、抜粋しましたが、夢をみる夢の3人それぞれが個々の方法で、ひとつの目的に向かって行動します。お互いにその方法については、話さないままで。
その3つの目的が以下です。

「富士山の山頂から一緒に景色を眺める」
「吉原APの活動費10万円を3人で割って、それを元手にそれぞれが10万円に増やし、300,001円で物を購入する」
「これまで本格的に勉強したことのないドイツ語を習得し、ドイツ語でアートについて語り合う」

[sutudio]では、8月24日[日]~26日[日]、8月31[日]~9月2日[日]、9月7日[金]~9日[日]の3週にわたり、この「3つの共有計画」の成果を順次公開していきます。

ビデオカメラを持って、それぞれの場所から、富士山頂を目指して出発する日も間近!日程が確認できたら、またこのブログでも紹介したいと思います。

2007年7月27日

追加募集中です。締切間近。

どうも。山本です。沖縄から戻りました。
(>山下さん 元気?たまには北海道のことも書きこんでね。)

そろそろ、吉原APのチラシ&ニューズレターが出回っているのか、このページを見てくれる人も増えてきているようです。このままどんどん参りましょう。

間もなく開催されるトーク・セッション、すでに定員に達しているようですが、若干スペースを広げたので、追加受付中です。まだ申し込みがお済みでない方、お急ぎください!

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トーク・セッション:『メディアの暴力性・映像の可能性』

日 時:2007年8月1日(水) 18:30-21:00 ※途中休憩15分
会 場:[studio]
定 員:20名(要申し込み・定員に達し次第締め切り)・無料
ゲスト:森 達也氏(映画監督 / ドキュメンタリー作家)、藤井 光(吉原治良賞記念AP2008入選作家)
モデレーター:甲斐 賢治(NPO remo 代表理事 / NPO recip 理事)
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沖縄は、吉原APとは何の関係もなく、仕事でキジムナーフェスティバルという芸術祭に参加するために行ってました。思っていたよりずっと舞台文化が生活に浸透しているという感じを受けました。新作狂言の公演とベケットという、一見なんら脈絡のないマニアックな内容だったにもかかわらず、お客さんがいっぱいだったのです。うれしかったです。

2007年7月25日

北海道と沖縄にいます

現在、コーディネーター2人はともに関西を離れ、北海道と沖縄にいます。

私は、沖縄で狂言の舞台公演の仕事をしています。今日、初日でした。舞台の仕事をする人は、普通はそれだけを専門にすることが多いので、私が仕事で「美術もやるんですよ〜」と言うと「へ〜」という興味なさそうな返事がかえってきます。ジャンルというのは、それぞれ垣根が低くなってきていると言いますが、やっぱりあるなと思う瞬間です。そう思うと、この吉原アート・プロジェクトは、なんと雑多な、というかアートって何よというメンバーの集まりだなと思います。

基本的に人は、自分の興味のあること以外には興味がないので、そういう人たちに魅力を伝え、何かほんのちょっとしたきっかけでその興味の矛先を変えることは、とても面白い仕事でもあるのですが。

2007年7月22日

『芸術裁判』レクチャー 神戸大学 発達科学部

8月1日の森達也さんを迎えてのトークの前日に、藤井光さんが、以下の内容でレクチャーをされます。

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メディア・アートの発展系として、アートプロジェクト『芸術裁判』では芸術 の理論レベルの立ち後れを象徴する「法の対象としての芸術」を問うため、現実の裁判を行う準備を進めています。
神戸大学では「リバースエンジニアリング」「マッシュアップ」などデジタルカルチャーのキーワードと共に法律(ソースコード)をめぐる『芸術裁判』の可能性を ディスカション形式で議論していきます。


【芸術裁判】レクチャー 藤井光

【日時】2007年7月31日(火)15:30~17:30
【場所】神戸大学発達科学部C棟(音楽棟)101教室(無料)
【アクセス】http://www.h.kobe-u.ac.jp/292
      阪急電鉄 「六甲」駅/JR西日本 「六甲道」駅/阪神電鉄 「御 影」駅
      神戸市バスの36系統「神大発達科学部前」下車、徒歩すぐ  
【お問い合わせ】yamazakimama@hotmail.co.jp

【協力】神戸レオポン学校 

全体像・・・

このプロジェクトがどのように計画され、進んでいるか、よくご存じない方のために少し説明しておきます。

この4月~9月は第2次選考期間です。その間、5組のアーティストと2人のコーディネーターは協働して、[studio]を中心にさまざまな活動を展開していく・・・ということになっています。最終的には9月が終わった段階で、アーティストは[studio]での活動を通して洗練されたアート・プロジェクトについての計画書を提出。それを元に選ばれたアーティストに関して、コーディネーターがレポートを提出して、最終的な組み合わせが決定されるそうです。

9月までの活動の中で決められていたのは、レクチャー等を10本することとその予算ぐらいで、後は自由にということでした。なので、このプロジェクトに関わってない人がみたら、全体像が全然見えないかもしれません。やっている私達にも見えてないのですから仕方ないことですが・・・・

でも、大まかにいうと、それぞれのアーティストが[studio]を使ったプレゼンテーションとレクチャーを行うという方向で進んでいます。そのレクチャーが公開ミーティングだったりもすることもありますし、プレゼンテーションも展示という形態をとらない場合もあります。時期もまちまちだし。[studio]以外の場所でやることもあります。

これ以外に、アーティストが独自に行うこと、コーディネータ―が独自に行うことなどがあって、ものすごく盛りだくさんなのです。

だんだん何を説明しているのか、わからなくなってきましたが、要するに、このブログをチェックしないと、何が行われるのかさっぱりわからないだろう、っていうことです。突発的に行われる催しもあると思うので、こまめにチェックしてくださいね。がんばって更新します。

yamamoto

2007年7月20日

ここも案外素敵

山本握微さんの「ここ以外は素敵ですぜ」絶賛、開催中です。

ここ以外は素敵って、ここはひどいのかと思っていたのですが、案外素敵だと思いました。「ここにはない作品についての、批評でも感想でもなくただの言及」というようなことが書いてありましたが、しっかり愛のある批評がたくさん並んでいます。

私は、本当に腹の立つ作品を見た時は、「ちぇっ!金かえせっ!」と(家庭内では)叫んだりするタイプなので、そういうムカついたものについてもたくさん言及があるのかと勝手に想像していたのですが、握微さんが好きなもの、よかったと思うもの、興味ひかれたものについて書いてあるものがほとんどで、ちょっとびっくりしました。(よく考えると、素敵なものについて書いてあるのだから当然ですが。)

あそこで言及されている作品で、私が実際に目にしたことがあったのは、藤井光さんの「飛行少年死す」だけだったのですが、その他、見たことのない作品についてもいろいろ楽しんで読むことができました。どれも、見てみたいと思わせる文章で、これはある意味すごいというか、最近私に欠如している要素ではないかと考えさせられました。

プロデューサーやキュレーターは、自分が本当にいいと思ったものじゃないと手をつけないし、そうでなくては絶対にいいものは作れないと思うのです。でもコーディネーターは基本的に、その判断が終わった後に仕事が降りてくるスタンスなので、「仕事」としてやる場合はどこかで区切りをつけて、これも好きあれもすごいと思いこんでやっている部分が少なからずあります。正直に、本当に自分はどれが好きで、どんなものに感動して、、、という出発点にはあったはずの気持ちがわからなくなることもあります。というか、あえて考えないようにするとか。たぶん、私は今、そういう状態なのだと気づきました。何を見ても自分でもびっくりするぐらい感動したり泣いたりすることがないのは、そのせいでしょう。重症です。

まぁ、私の話は置いておいて、、、
そういういろんなことを考えさせられる展示です。泣きはしなかったけど、正直に面白いと思いました。
明日18時までです。まだの方ぜひご高覧ください。感想もお待ちしてます。


あっでも、全体的な傾向として、みなさんちょっと小さくまとまり過ぎなんじゃないの、とも思っています。握微さんだけではなく。もちろん一番は私自身が、ですが。。。
なんかこの、そこはかとない中途半端な感じ、何とかしたい。あんまり人のこと考えないで、好きなことやった方がいいですよ。>みなさん。>そして私。

yamamoto mayumi

トーク・セッション:『メディアの暴力性・映像の可能性』


山本握微さんの展覧会、絶賛公開中です。レビューはまた、のちほど。

この展覧会が終わっても、ぞくぞくとイベント、展覧会が続きます。
次は、以下のイベントです。定員に達し次第、締切ますので、お申込みはお早めに!

このトーク・セッションでは、吉原入選作家である藤井光の作品、国(自衛隊)が下した撮影禁止命令を拒否し制作したという問題作「飛行少年死す」を上映し、映像や言語によってさまざまな社会問題やブーに取り組んでこられた森達也氏を迎え意見交換を行います。またその他、公共や自主規制等のキワードからも議論を展開し、現代における映像の役割、映像と真実の関係や表現としての可能性について考えたいと思います。

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トーク・セッション:『メディアの暴力性・映像の可能性』

日 時:2007年8月1日(水) 18:30-21:00 ※途中休憩15分
会 場:[studio]
定 員:20名(要申し込み・定員に達し次第締め切り)・無料
ゲスト:森 達也氏(映画監督 / ドキュメンタリー作家)、藤井 光(吉原治良賞記念AP2008入選作家)
モデレーター:甲斐 賢治(NPO remo 代表理事 / NPO recip 理事)

現在、テレビ番組のデータ捏造問題で顕著など、映像の持つ影響力やその信憑性などに社会的な注目が集まっています。また、法廷の場では証拠として、取り調べの映像が初めて上映されるなど、今日における社会問題のひとつとして、「映像:メディア」の本質や役割を考えさせられる場面は数多くあります。セッションでは映画監督でありドキュメンタリー作家である森達也氏をお迎えし、本プロジェクト入選作家の一人である藤井光を交え、藤井の作品「飛行少年死す」を取り上げながら、現代における映像と裁判、映像と真実の関係性、およびその表現の可能性について考えていきます。

■お問い合わせ・お申込みは……
TEL =06-4790-8520(10:00~18:00)  E-mai l = info@osaka-art.jp
大阪府立現代美術センター「吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008」係 ※定員に達し次第締め切ります。
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2007年7月14日

間もなく「ここ以外は素敵ですぜ」始まります。

来週17日(火)から、山本握微による「ここ以外は素敵ですぜ」展が始まります。

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展覧会:山本握微『ここ以外は素敵ですぜ』
日時:2007年7月17日(火)~21日(土)13:30~21:00(最終日18:00まで)
会場:ESPACE446 ([studio]1階) 
内容:通常、会場にあるはずの作者の作品はない。あるのはここ以外に存在した他者作品の言及。ギャラリーにおける内と外を逆転させた展覧会。

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この説明を読んでも、何が展示されるのかさっぱり想像がつかないかもしれませんが、プランを知っている私にとっても、「そんなん今までに聞いたことないよ~!」という驚きの内容です。

握微さんは普通芸術を標榜し、ことあるごとにそのことを話し実行しようとしていますが、実はこんなに芸術家らしい芸術家はいないのではないかと私は秘かに思っています。(芸術が普通ではないという偏見を前提にしているように聞こえますが、まぁ、そのことはまた別の機会に。)

握微さんは、私が絶対に思いつかないような、びっくりするようなことを言ったりしたりする方ですが、話をじっくり聞くと、ものすごく論理的にいろんなことを考えていて、気付かなかったことや見過ごしていたことをはっきりと意識させてくれる人です。
この魅力をもっとお伝えしたいと思っているのですが、なかなかよい表現や方法が見つけられずにいます。なので、とりあえず私が感じたことをそのまま書くことにしました。

握微さんの中には、普通芸術というぐらいですから、矛盾する部分がたくさんあって、そのジレンマにどっぷり浸かって、ちゃんと日々の生活を送っているところが真の芸術家のようで本当にすごいなと思いっています。(何が真の芸術家なのかよくわかりませんが、)握微さんは日々、ものすごくいろんな芸術のことを考えているのではないかと想像します。日常すべてがそれに収斂されていくのではと思うぐらい。(注:実際のところはわかりません。)芸術家とは、みな矛盾や葛藤を抱えているものなのかもしれませんが、それが日々の生活すべてを支配しているような雰囲気というのは、なかなか身につくものではないでしょう。

握微さんの作品は、見てすぐわかるようなキャッチーさは全然ありません。でも、見る人の想像力と、知的好奇心を刺激する作品です。ある程度時間をかけなければわからないところもありますが、きっと忘れている感覚や、常識の中にある違和感、プッと笑ってしまうようなこと、ハッとするよう真実を何かしら見つけることができるはずです。

こんな説明でわかるだろうかと思いつつ、握微さんの魅力がちょっとでも伝わるといいなと思います。
ぜひ、時間に余裕を持ってお越しください。

yamamoto mayumi

2007年7月10日

ビビんなくていい

日曜日、「アートのための法律相談所」にたくさんのご来場、ありがとうございました。わざわざ東京から来てくださった方もいたと聞いて、やはりこういったトピックを扱う催しがまだまだ少ないのだなと実感しました。アートと法律は、私の中ではもっとも縁遠いというか、実際にはいろいろ問題がある割に全く別の相いれないもの同士のような気がしていて、一番端と端にあるものを一緒に考えようとすること自体に感心してしまいました。

講師で来ていただいた作田さんのお話にもあったように、法律は最終的には思考を止めるためのものなので、それを促進しようとするアートとは真逆にあるのかもしれません。でもそれゆえに、そこで挑戦することの意義もあり、そこでしか見えてこないこともあるからこそ、藤井さんのプロジェクトの面白さや動機がどのようなものなのか伝わるような気がしました。

作田さんのお話の中ででてきた、「芸術の分野で訴えられることが実際にはほとんどない」、ということ「アーティストはビビんなくていい」というのは目から鱗の感がありました。それに、藤井さんの今回のプロジェクトの最終目標のためには、実際に裁判を行う必要があるわけですが、それがなかなか難しいということが改めて理解できました。芸術を法の対象として論じる前に、その状況を作り出すことさえも、です。それも含めてのプロジェクトだからこそ、面白いということもありますが。

でも小心者の私には「ばれなければ大丈夫」という考え方には、若干の戸惑いがあって、アーティストはやりたいことがあって結果としてそうなったのであればそれでいいいかもしれないけど、コーディネーターのようなアーティストの周辺にいる人は本当にそれでいいのかと考えてしまいました。結局は決定権のないコーディネーターは、それによって起こりえる問題や困難をアーティストに伝え、どのように思うかという意見を述べることしかできないのかもしれません。それが重要かつ必要なことであることを願うばかりです。

みなさまからの感想もお待ちしてます!

yamamoto

2007年7月8日

アートのための法律相談所

昨日に引き続き、今日午後3時からstudioにて、公開レクチャーが行われます。まだ若干空きがありますので、ご興味ある方、お気軽にお越しください。

公開レクチャー②『アートのための法律相談所』
講師:作田知樹氏(Arts and Lawエグゼクティヴ・ディレクター)
アーティストが社会の中で表現活動を行うとき、そこには法律という存在が
大きく関わってきます。それは著作権や肖像権、あるいは契約の場面など
で、奇しくも表現の自由と相反する形で現れます。
レクチャーではアーティストがそうした問題と直面した際、どういった措置が
考えられるのかを、アートに関わる現実的な問題に実践的なアドバイスを
提供するArts and Lawの代表を務められる作田知樹氏に、国内・外の
事例を中心に紹介していただくとともに、来場者からの「表現活動と法律」
に関する質問にお応えします。
またプロジェクト入選アーティストの一人である藤井光との対談により、
過去の藤井の作品制作における実例を併せて紹介しながら、問題を
より深く議論していきます。

定員:20名(要申し込み・定員に達し次第締め切り)・無料

yamamoto

2007年7月5日

運動展が終わって。




山本握微による「運動展'007」「方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと」及び「運動会-rehearsal version-」が日曜日をもちまして終了しました。

来場していただいた方、まことにありがとうございました。

通算で約80名の来場があり、初めての展示ということもあり、集客が気になっていたので、ほっとしました。


30日には「運動会」を開催し、Tシャツに託した運動作品を実演する試みが開かれ、来場した方を沸かせていました。


31日にはクロージングと称し、作家が新世界ブリッジの公演に出演していました。

役柄は、ライブ中に水でいっぱいになったたらいを運ぶという役でした。その後ライブ中に再び現れて、こぼした水のお掃除をしていました。


そういえばcontact Gonzoの塚原さんが以前京都芸術センターのダンスの公演に、後ろで作業する人という役で出演したのを思い出し、因果を感じずにはいられませんでした。次は誰でしょうか。


週末にもイベント詰まっております。

土曜15時から今井先生をお迎えしてのレクチャー、日曜の15時からは東京のArts and Lawのディレクター作田知樹氏をお迎えしたレクチャーを行います。


どちらもまだ空席があるので、ふるってご応募ください。


また、現在studio1階で展示されているコレクション展へもお越しください。

日曜休廊で、時間は13:30から21:00です。

詳しくは現代美術センターHPからご確認ください。


宜しくお願いします。



(山下)

2007年6月30日

山本握微「運動展」開催中!!


深夜の搬入の後、金、土、日と、前半戦が終了しました。

今日から明日、明後日にかけて写真の建物[studio]にて後半戦が開催されています。
前半戦には約50名の来場があり、初めての発表にしては上場だった・・・のでしょうか。
[studio]のある本町は、オフィス街なため、日曜日の来場者数が伸びません。これも宿命でしょうか。

作家山本握微の作品には、色々な方が興味を示してくださり、色々な意見が聞けています。
今後深化し進化していく彼の目的も、来場者の方の何気ないコメントに揺られながら決まっていくと思います。
今後も、もっと多くの方に見て頂きたいです。

そして「運動展'007」と「方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと」に並ぶ一大イベント「運動会」が30日(土)夜18:00から開演です。
運動展は、作品を言葉(文章)で説明しきったものですが、運動会は、そのライブバージョン、つまり作家本人が運動をするイベントです。
お金をお支払いする必要もありませんので、是非お越しください。


また、本日コーディネーター二人と現美センター側の方とミーティングを行いました。
今後の[studio]の発表プランや、1階にある「ギャラリー446」での展示プラン、レクチャーに関してなどこのプロジェクトを構成する基礎となる部分の確認をしました。
私も、まだまだ頑張らねば、と気合が入りました。

あと二日となってしまいましたが、山本握微による「運動展'007」「方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと」、まだの方は是非お越しください。

今後の予定も詰まっています。


今後の予定です。レクチャーへの参加受付もまだまだ受け付けております。宜しくお願いします。



■展覧会:運動展─『運動展‘007』 『方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと』
会期:2007年6月22日(金)~24日(日)、29日(金)~7月1日(日)
13:00~20:00
・観覧無料

プロジェクト入選アーティストの一人である山本握微(やまもと・あくび)による展覧会。
入選展における山本の「運動展‘07」に新作を加え、その形式を深化させた『運動展‘007』及び、他の入選作家の方法を利用して過日の入選展を一人で再現する『方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと』を同時開催。
6月30日(土)には『運動会』と称して作家がライブ形式で作品を実演します。


■公開レクチャー:『ひとのまねをするな!─吉原治良が目指したものとは?』
会期:2007年7月7日(土)
15:00~17:30(セッションI・90分/セッションII・45分) ※休憩15分
定員:20名(要申し込み・定員に達し次第締め切り)
・無料

講師:今井祝雄氏(美術家、元具体美術協会会員、吉原治良賞記念アート・プロジェクト審査員)
セッションI・モデレーター:中塚宏行(大阪府立現代美術センター主任研究員、吉原治良賞記念アート・プロジェクト審査員)
セッションII・モデレーター:川端嘉人(大阪府立現代美術センター指定管理者クリーン・ブラザーズ代表)

戦前の前衛美術を代表する画家であり、また戦後に具体美術協会を牽引し、「ひとのまねをするな!これまでにないものをつくれ!」と多くのアーティストを叱咤激励し続けた吉原治良。美術館を飛び出し、野外や海外に積極的にその活動の舞台を拡げていった吉原治良が目指したものとは?
元具体美術協会会員である今井祝雄氏(美術家、吉原治良賞記念アート・プロジェクト審査員)をお招きし、様々なお話を交えながら、その理想と実像にせまる公開レクチャーです。また、セッションIIとして、「吉原治良賞記念アート・プロジェクト」が実施されるに至った経緯や、プロジェクトが持つ可能性、また今日の美術状況にあって美術賞という制度が持つ意義や問題点を考えるレクチャー&ディスカッションを行います。


■公開レクチャー:『アートのための法律相談所』
会期:2007年7月8日(日)
15:00~17:45(セッションI・90分/セッションII・60分) ※休憩15分
定員:20名(要申し込み・定員に達し次第締め切り)
・無料

講師:作田知樹氏(Arts and Lawエグゼクティヴ・ディレクター)


アーティストが社会の中で表現活動を行うとき、そこには法律という存在が大きく関わってきます。それは著作権や肖像権、あるいは契約の場面などで、奇しくも表現の自由と相反する形で現れます。
レクチャーではアーティストがそうした問題と直面した際、どういった措置が考えられるのかを、アートに関わる現実的な問題に実践的なアドバイスを提供するArts and Lawの代表を務められる作田知樹氏に、国内・外の事例を中心に紹介していただくとともに、来場者からの「表現活動と法律」に関する質問にお応えします。
またプロジェクト入選アーティストの一人である藤井光との対談により、過去の藤井の作品制作における実例を併せて紹介しながら、問題をより深く議論していきます。


■大阪府現代美術コレクションによる展覧会:『吉原治良と具体の作家たち』展
会期:2007年7月3日(火)~14日(土)
13:30~21:00(日曜休廊/最終日18:00まで)
・観覧無料
会場:GALLERY+CAFE ESPACE 446([studio]1階)

「吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008」の本格始動にあわせ、大阪府現代美術コレクションより、吉原治良をはじめ、元永定正、嶋本昭三、上前智祐ら具体美術協会の作家たちの作品を中心に、およそ10点を展示いたします。現在進行形で展開するプロジェクトと[studio]の活動内容、各アーティストの様々な情報、その他のトピックスは、「大阪府立現代美術センターHP」内、「吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008」、またはアートコーディネーター運営によるブログよりご覧ください。
http://www.osaka-art.jp/ :「大阪府立現代美術センター」ホームページ
http://yoshiharajiro2008.blogspot.com/ :コーディネーター運営によるブログ「coordinator page」


各レクチャーへのお問い合わせ・お申込みは……
TEL=06-4790-8520(10:00~18:00)

大阪府立現代美術センター「吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008」係
※6月25日(月)より受付開始(日曜日お休み) 定員に達し次第締め切ります。



(山下智博)


2007年6月22日

深夜の搬入。。


先日21日、今日から無事始まった山本握微による個展「運動展'007」「方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと」の搬入がありました。

これまで色々な展示の搬入をしてきましたが、17時間ぶっ通しの搬入は生涯初めてでした。

8時から始まり、私山下とお手伝い現役学生デザイナー二人(後輩)と、握微さんと握微さんの友人の方、そして月曜日から大阪滞在中の作家の藤井さんと、それぞれ別々な作業を延々と続けていきました。
雑然とした空間に「常設作品展示空間」と「喫茶スペース」そして「握微さんの展示空間」を一気に作ろうもんだから、気合が入らないはずがない。

私たちチーム学生は空間作り、握微さんたちは作品制作に没頭し、あるいは雑談し、最初から徹夜の覚悟があったので電気を煌々とつけ、作業に勤しみました。

「悪いけど僕は寝かせてもらいますよ」とニヒルな笑顔で11時頃決意表明をされていた藤井さんの決意も虚しく、押し寄せる荷物と展示用具、不意を突いたゴンゾの塚原さんの訪問と作品設置など、藤井さんの眠りを妨げるイベントは絶え間なく続きました。しかし皮肉にもそのお陰で、私たちとしては、とても仕事が捗りました。
私たちも気を良くして、深夜のテンションに切り替わり、盛り上がっていこうぜと、相成ったわけでございました。

結局朝の5時頃、studio内で眠ることに見切りを付けた藤井さんは、裏のベランダに一人出て、明るくなる空に対抗するかのようにサングラスをかけ、梅雨空の下、ひっそりと眠りにつきました。


握微さんは朝7時頃に会社へ向かいました。

9時頃にはゴンゾの塚原さんと垣尾さんが常設展示のために再来してくださりました。

空間は、何とか間に合いました。
握微さんの作品イメージから派生させた空間は、独特な空気を漂わせています。
お手伝いしてくれた福田さん、梅ちゃん、本当にありがとうございました。
握微さんと江波さんも、お疲れさまでした。
しっかり形にすることができました。



■ 山本握微個展
『運動展’007』『方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと』
会期: 2007年6月22日[金],23日[土],24日[日],29日[金],30日[土],7月1日[日]
時間:13:00-20:00
※30日[土]18:00より「運動会-rehearsal version-」開催
前回の「運動展 ’07」に新作を加え形式を深化させた『運動展 ’007』及び、他の入選作家の方法を利用して過日の入選展を一人で再現する『方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと』を同時開催。また30日[土]には『運動会』と称して作家がライブ形式で作品を実演する(18:00より開演)。



外で眠りについた藤井さんは、具合を悪くし先程東京へ帰られました。
何と言うか、とても申し訳ない結果となってしまいました・・・。
が、展示は本日から!
あいにくの雨ですが、お時間ありましたらお立ち寄りください。

今日からstudioオープンです。



いよいよ今日から、山本握微さんによる「運動展'007」「方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと」が始まります。みなさん、ぜひお越しください。

またstudioの一角には、他の入選作家のみなさんの作品も一部展示しています。あわせてご高覧ください。

徹夜で搬入作業を行ってくださったみなさん、ありがとうございました。今頃やってきて、この記事だけ書くのも気がひけますが、とりあえずご報告まで。

yamamoto

2007年6月18日


先日6月16日、梅田駅からスカイビルへ向かう仮設通路でのcontact Gonzoを見学してきました。今回はそのレビューを書いてみようと思います。


この場所は人が多く行き交う場所であり、Gonzoの最中も人が途切れることは無かった。
私がGonzoを見る際、Gonzoをしている彼らよりも、周囲のリアクションが気になってしまう。
それは彼らがcontact Gonzoとは何かと必死に模索しているのと私も変わらず、それが一体何なのか、その周囲に答えを求めているだけに過ぎないのかも知れない。

しかし、Gonzoを取り巻く周囲の環境や人々のリアクションは、多くのことを私に気づかせてくれる。
この場所は、両サイドをフェンスが塞ぎ、道幅は5メートル程度である。Gonzoは流動的に動くため、しばしば歩く人を立ち止まらせ、その歩行を妨げた。奇しくもこのフェンスにはカレイドスコープの際の作品が描かれてあった。

20代後半の男二人が殴りあう光景を、私は今までまじまじと眺めたことはなかった。
通りを歩く人にも恐らく同じように写るのではないだろうか。それも、私に見えているよりも、より暴力的で危険なものに。
ある人はGonzoの脇を足早に通り抜け、ある人は知らん顔でただただ通り過ぎる。ごく稀に立ち止まって見ている人も居れば、笑いを堪えている人も居た。

どんなに通行の邪魔でも、どんなに視界に入ってくるのが嫌でも、どんなに興味があっても、Gonzoの最中に話しかける人は居ない。
深層心理の中に、巻き込まれる危険性を抱いているのだ。
contact Gonzo本人も含め、誰もがこの行為が何なのか分からずに、そのままcontact Gonzoは続いていく。

私はその周辺のリアクションを観察するうちに、contact Gonzoの謳う「痛みの哲学」「接触の技法」よりも、“面倒くさいものには関わらない”“痛いことは極力避ける”という、現代人の抱える暗黙のルールのようなものが浮き出て来るのを感じた。

誰もがその光景に疑問を感じる。

-何か喧嘩している?
-何してるの、あの人たち。
-おかしいんじゃないの?
-あー、怖い。
-むっちゃオモロい。

しかし、疑問を持ってもcontact Gonzoには近づけない。自分が痛い思いをするかもしれないから。
それなら他人として関わりを持たない方が、明らかに利口だ。
無言でも、その気持ちが見てとれる。

商店街が荒廃し、極力人と関わらずに買い物ができるスーパーマーケットやネットショップが普及してきたように、私生活で人と接触する機会が少なくなった今日に於いて、この周囲のリアクションは現代社会を写す鏡と成り得ている気がする。

contact Gonzoを人が多い場所で行うと、そう見える。あくまでもいち個人の感想であるが。
ただ、見る人を選ぶ行為であるが故、youtubeでの動画配信は、ごく自然で必然的なもののように思う。


「どのくらいの強さで殴ったら怪我するか、知ってますか?」


七九式さんの言葉に、私は何も答えられなかった。



http://www.youtube.com/watch?v=JE6169lckoA
http://www.youtube.com/watch?v=uZvVDuAAbUU


(山下 智博)




■山本握微による「運動展'007」「方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと」の展示が22日からstudioにて開始されます。是非ご来場ください。
2007年6月22日(金)~24日(日) 6月29日(金)~7月1日(日)
open:13:00 - 20:00
※6月30日18:00より「運動会-rehearsal version-」開演(1時間程度)
http://www.kiwamari.org/

2007年6月16日

contact Gonzoスケジュール

contact Gonzo のスケジュールです。
基本的に扇町公園でのcontact Gonzoをしてらっしゃいます。
予定をお聞きしたので、公開させていただきます。
ただ、contact Gonzoは告知無く中止する場合がありますので、ご了承ください。

6月20日、26日、27日 @扇町公園 PM7:00より
6月16日、17日、24日 場所未定   PM7:00より

以上です。



■山本握微による「運動展'007」「方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと」の展示が来週からstudioにて開始されます。是非ご来場ください。

2007年6月22日(金)~24日(日) 6月29日(金)~7月1日(日)
open:13:00 - 20:00
※6月30日18:00より「運動会-rehearsal version-」開演(1時間程度)

2007年6月14日

最近・・・・

音沙汰がないなぁと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、着実にこのプロジェクトは進行しています。
昨日から、山下さんが、studio大改装をすすめてくれています。握微さんのDMも出来上がり、配布中です。
コーディネーター山本も、明日studioに行って引き続き作業します。

2007年6月9日

contact Gonzo 「the first man narrative」

contact Gonzoさんの新作映像「the first man narrative」が
youtubeにupされました。http://www.youtube.com/watch?v=UfPuvZ0SOwI
以下作家さんからのメッセージです。(一部抜粋)

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入選展でのインスタントカメラの画像をまとめました。
contact Gonzoをやりながらお互いをインスタントカメラで取り合う行為を
「the first man narrative」と呼んでいます。

wikipediaでの「gonzo」の説明文からの引用ですが、事実にもっとも近いやつの(この場合)報道。
つまり行為者その本人の報道/発信。こそが真実であるというgonzoの哲学を端的に形にしたものです。
gonzopornographyといえば自分で行いながら自分で撮るジャンルです。つまり事実と真実の解離を引き戻すものがgonzoだと言えます。それと同時に「the first mannarrative/一人目の説明的な奴」という美学史的な意味も含ませています。

2007年6月8日

山本握微「運動展」開催

「吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008」における入選作家の一人『山本握微』による個展「運動展」を studio(大阪府立現代美術センターサテライトスタジオ)にて開催致します。詳細は以下参照ください。

■展覧会名

「運動展」


■展覧会概要 
“吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008”入選の山本握微による個展。
前回の「運動展 ’07」に新作を加え形式を深化させた『運動展 ’007』及び、他の入選作家の方法を利用して過日の入選展を一人で再現する『方法にホウホウと感嘆するのは簡単なこと』を同時開催。
30日(土)には『運動会』と称してライブ形式で作品を実演する(18:00より開演。雨天決行・予約不要・入退場自由)
なお、「運動展」とは、あるものごとを美術として制作せず、そのまま普通の言葉で説明してしまい、それ自体を作品とする展覧会。
ただの言葉ゆえに、作品となる対象は広く、専門の技術も不要。余力があれば制作もするが、飽くまで参考品として展示する。
通常の美術展における作品と説明文の関係が逆転したものと考えればイメージしやすい。
山本は今後studioの活動において、この形式を軸に各種のプロジェクトを行い、運動展を広め、深めていく予定。
※ 山本握微個人サイト http://www.kiwamari.org/

■日時
2007年6月22日(金)~24日(日) 6月29日(金)~7月1日(日)
open:13:00 - 20:00
※6月30日18:00より「運動会-rehearsal version-」開演(1時間程度)

■場所

「studio」大阪府立現代美術センター サテライトスタジオ
大阪府大阪市中央区本町4-4-6 大野ビル2F

大阪市営地下鉄本町駅(御堂筋線/中央線/四つ橋線)下車
御堂筋線8番出口徒歩3分/中央線18番出口徒歩3分/四つ橋線26番出口徒歩8分
※車でお越しの際は、周辺の有料駐車場などをご利用ください。


■問い合わせ先
大阪府立現代美術センター
〒540-0008 大阪市中央区大手前3-1-43大阪府新別館北館・南館
TEL 06-4790-8520 FAX 06-4790-8522
info@osaka-art.jp


※本プロジェクトの詳細は、大阪府立現代美術センターのwebサイトをご参照ください。
http://www.osaka-art.jp/index.html

2007年6月3日

2007.06.03 コーディネーターの動き

今日は、お昼から入選作家のうちの一組「夢をみる夢」との今後の展開に関する打ち合わせを行い、その後京都芸術センターで行われる、これまた入選作家の一組「contact Gonzo」の塚原さんが出演する舞台を見た後、またもや入選作家の一人「山本握微」との月末に行われる展示の打ち合わせなどを行う予定です。

具体的に動き始めてきました。そう、具体的に。


(山下智博)

2007年6月1日

contact Gonzo @studio

昨日、GonzoさんがstudioでGonzoされたそうです。

http://www.youtube.com/watch?v=xPtDe3Zct4M

吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008とは?

大阪府立現代美術センターの吉原APのページ

詳細についてはこちらをごらんください。

現在進行中です。

このプロジェクトは4月から9月までの間が、第2次選考期間で、studioでの活動を中心にさまざまなことを行っていく予定です。

現在、アーティストとコーディネーター間で、プレゼンテーションやレクチャーのプランについて活発にやりとりされています。もう間もなく、その内容も少しづつ明らかにできると思います。お楽しみに。

今日も朝からstudioにて、コーディネーター山下、山本の2名と現美センターのスタッフとでミーティングです。午後は、東大阪にあるクリエイション・コアという施設でミーティング。夜もアーティストとミーティング・・・・ということで、がんばります。