project schedule


[studio]での活動は終了しました。
ご来場いただいたみなさん、どうもありがとうございました。

今後、吉原治良賞記念アート・プロジェクト2008では、これまでの[studio]等での活動を元にアーティストが最終計画書を作成し、それをもって審査員による2次選考が行われます。またアーティスト決定後に、別途コーディネーターの審査が行われます。
最終結果は、年明け頃に発表の予定です。

* mixiにもコミュ作ってみました!:吉原治良賞記念AP2008メンバー募集中です。

2007年8月23日

思い出すことに他ならない

2007年8月18日

山本握微 独自企画「レクチャーしなくちゃ」
第二回 思い出すことに他ならない
ゲスト 益山貴司氏 
劇団「子供鉅人」主宰にして、谷町6丁目にある路地裏長屋カフェバー「ポコペン」の名物マスター。

本プロジェクト入選作家の山本握微と同年齢であり、演劇という共通項で結びついている二人が「場」をキーワードに対談をしました。
「場」というテーマは、『益山氏の劇団、子供鉅人は、決して「様々な場所で演劇しよう」ということをコンセプトに活動をしているわけではない。僕は彼の劇団を旗揚げから観てきたが、「色んな場所で演劇してるな」と感じたこともない。だが、気がつけば、手を変え品を変え場も変えて、舞台を作っている。』という山本の言葉が裏付けるように、益山氏の表現活動に大きく関わっているように見えます。その実態を探り、多くの表現者の悩みの種である「場」について益山氏の話を伺うことがこのレクチャーの目的でした。

まず、益山氏のいでたちとキャラクターに、その場の誰もが引きつけられた。甚平を身にまとった益山氏は、独特の砕けた喋り方で、テーマに関係あること無いことを多く語ってくださいました。

「場」については、特に意識せず、人と人との繋がりで、同時に巡り会わせでしかなく、それこそ必然的にそうなっているということでした。知っている劇空間が南森町の家の近所にあるプラネットステーションで、そこから人に紹介されながら様々な場所を渡り歩いて、今のポコペンに辿り着いたそうです。自由人を思わせるその風貌と、人当たりの良い雰囲気から、そういった必然性は、妙な説得力を持っていたように思えました。

そこから話はタイトルにあるように「思い出すことに他ならない」から派生し「思い出す」ことについてに移っていきました。このタイトルは益山氏の言葉の引用です。山本が言うには、劇作を指しての言葉だそうです。

「思い出す」ことはごく自然に行われている行為です。しかし思い出すためには、装置が必要です。当時の物や事、事件など、その装置は様々です。ここでは様々な話題が飛び交いましたが、印象的だったのは在日コリアン4世である益山氏が幼少期から体験し、当たり前だと思っていた「韓国流の法事」についての話についてでした。

日本の法事とは違い、物凄い数の料理が食卓に並び、先祖への経緯を表す韓流の法事は、親族の誰もがそこに見えない先祖をあたかも存在しているように扱うらしく、その行為に益山氏は子供ながらにショッキングだったとのことでした。
益山氏はそこにもしかしたら自分の演劇のルーツがあるのかも、などと笑いながら話していましたが、個人の生まれた時代や取り巻く環境、それこそ「場」が、人格の形成に大きく影響するのだなと、改めて実感できました。

本プロジェクト審査員の芹沢氏もお見えになり、アフタートークも楽しく過ごすことができました。ご来場くださった方々に感謝の意を申し上げます。

さーて次回「レクチャーしなくちゃ」は
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8月29日(水) 19:00~(90分予定)・申し込み不要
会 場:[studio]ゲスト:藤井光 (メディア・アーティスト、「吉原治良賞記念アートプロジェクト2008」入選作家)
進行:山本握微(普通芸術家)

3回目となる「レクチャーしなくちゃ」では、山本と同じ入選アーティストである藤井光を講師として迎えます。新しい技術や機材を用いた表現、という狭義のメディア・アートではなく、各種の社会制度を内外から実践的に問う「メディア・アート」を、藤井の作品や海外の実例を紹介しながら、掘り下げていきます。その上で、より普遍的で有用な「芸術とは何か」という定義を、改めて模索していきます。
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沢山のご来場をお待ちしております。

益山氏は現在劇団のヨーロッパツアーに行っております。ご無事と成功をお祈り致します。


(山下)

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